第208問(2009年7月19日堀口七段-内藤九段戦) |
(問208-1) 後手内藤九段が先手の駒組みを見て飛車を四間に振ると、先手の堀口七段も銀冠から穴熊へと駒組みを進めた。中盤に入り駒組が頂点に達し、どちらからも手出しがしづらいかと思われたが、後手の内藤九段が果敢に仕掛けて戦いが始まった。 しかし読み筋通り進めたにもかかわらず(感想戦)、先手からの反撃が厳しく不利に陥った。そして今、▲5一角と打たれたところ。飛車を逃げると▲8四角成があり、かといって飛車を取られてから▲2二飛成と成られるのも厳しい。 ここで内藤九段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問208-2) 馬を引きつけ後手も頑張っているが、▲7五歩を突かれなかなか攻めを振りほどくのは容易でない。今、△6九角と打ち、8七の金取りをどうするか聞いたところ。 ここで先手堀口七段の指した一手は?穴熊党なら当然の一手かもしれない。 |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問208-1解答)「銀を取らせる”場合の手”」 飛車を逃げるのは▲8四角成で銀を取られながら馬を作られてしまう。普通このような局面は必敗でダメとすぐ読みを打ち切るのが普通だ。しかしこのまま飛車を取られるのはやはり▲2二飛成が非常に厳しくこれもまずい。 ここで内藤九段は△5二飛と普通ならあり得ない手を指した。これは▲8四角成に△7三金で馬を捕獲出来ることを見た上での”場合の手”。もっともこれでも局面自体が良くなった訳ではなく、▲7三同馬△同馬▲7五歩から依然先手優勢の局面が続いた。 |
(問208-2解答)「切れない攻めが約束されている時はガッチリ受ける」 ここは▲8八金打と金を投入して受ける一手。この局面、▲8八金と引いて受けるのはいきなり△8七桂と打たれてもまずいし、▲8八銀と打つのは将来7八の地点に金駒を打たれてしまう危険がある。 また、局面によっては▲8八玉と自ら穴熊を出て受けた方が良い場合もあるが(相手の駒が小駒のみで切れそうな場合)、ここでは相手に大駒があるのでそのように受ける局面でもない。 と言うわけで、▲8八金打はこう受けるところ。 本譜はこの後先手に駒を使わせて攻めを細くさせようとしたが、上図の2四飛をを幸便に2九から7九へ回った手が強烈で上部からの押しつぶすような攻めを後手は受け止めることが出来なかった。 |
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