第210問(2009年8月2日矢内女王-櫛田六段戦) |
(問210-1) 後手櫛田六段の四間飛車に、先手の矢内女王は▲9八玉形から銀冠に構えた。その後、金銀四枚を集結し、作戦勝ちになったが、中盤の細かい折衝で後手が逆転。と金作りから金得になり、優勢のまま終盤戦へ突入した。 下図は△6八とを見せて△5七飛成と成り込んだところ。ここで先手矢内女王の指した一手は?このまま△6八とを許し、さらに一枚金を損してはダメということであれば次の手は必然とも言える。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問210-2) 終盤に入り、後手が手抜きで攻め合ったのがやや過激で、後手玉も相当薄くなった。今、▲7四桂と最後の王手をしたところ。直接詰むのは△9二玉だけだが、このような場合どこへ逃げるのが正解か。後手櫛田六段の指した一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問210-1解答)「と金で金駒を取られないのが基本」 △6八とを防ぐためだけに▲6九香と打つような手は△6八歩でさらにひどいことになる。ここは▲7七銀とここに銀を打つ一手。この受けに△6八金とかぶせて攻めてくるような手もあり同じように見えるが、と金で7九の金を取られるのと金で取られるのとでは雲泥の差だ。金なら単なる金交換で、もらった金をまた受けに投入することが出来る。 実戦は△4六角から△6五桂と跳ねて壮絶なはがし合いに突入した。 |
(問210-2解答)「Zの形で逃げる」 「ゼッたい詰まないZの法則」と言う本があるが、△9三玉と逃げた形がいわゆるZ(ゼット)だ。この形は桂があって▲8五桂から8四に駒を捨てていく以外は大量に駒があっても角と金が良く利いていて詰まない。 但し、先手玉が一手一手で受けがなくなることをきちんと読んでいないとここには逃げられない。つまり先手玉の一手スキが途絶え、▲7二龍が回ると逆転する。 本譜は▲7九銀とさらに一枚手にいれたがこれでも全然後手玉は詰まず、終盤に入って先手も追い上げたものの届かなかった。 |
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