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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年1月11日出題)

第231問(2010年1月10日山崎七段-郷田九段戦)
(問231-1)
先手山崎七段、後手郷田九段で戦型は相掛かり戦。歩切れの後手が苦労する展開が続いていたが、端に手を付け龍を作ってから形勢不明の難解な中盤戦になった。

しかし、その龍を攻めて、結果角との交換になり、今▲1一飛と打ち込んだ手が非常に厳しく先手優勢な終盤戦へ突入。ここでは悪いながらもまず何を受けなければならないか。当然とも言える受けの一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・やさしい



(問231-2)
後手は一手手があくと、▲2四桂や▲3四歩などがあり、すぐに寄ってしまう。その間をあけず攻め続けている訳だが、△7六香の王手に先手の応手は何か?味良く後手の攻めを余す一手は?

(難易度・・・やや難



(これより下に解答)

(問231-1解答)「受けの基本-底歩で飛車の利きを止める」
金があれば▲4一金の一手詰だが、銀でも同じように▲4一銀と打たれるとほとんど受けがなくなる。そこで、打たれる前に△3一歩と受けるのが受けの形。
このような局面では、歩があれば(歩が利けば)△3一歩と歩で間に合わせ、二歩などで歩が打てない場合は香、あるいは場合によって桂や銀ということになる。
本譜は一旦下からの攻めは凌いだが、それでも▲3五銀打と上部から押しつぶす攻めが厳しく、先手優勢の終盤が続いた。


(問231-2解答)「玉の逃げ道を確保する移動合い」
香の王手に対し、歩が利けばもちろん▲7七歩と打って何でもないが、その歩は二歩で打てない。代わりに桂を打つのでは、△4七とと寄った手が△6九角成▲同玉△5九角と打つ詰めろになる。と言って銀を打つのも△同香成とさらに駒を渡して危険だ。
ここは、▲7七桂と8九の桂を跳ねるのがちょうど玉の逃げ道を開けつつ、相手にも安い駒しか渡さないというピッタリした受けになっている。

本譜は△7一香と受けに利かせつつためて手を渡したが、▲2四桂から▲3四歩が厳しく、後手玉を一気に寄せ切った。
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