第232問(2010年1月17日羽生NHK杯選手権者-先崎八段戦) |
(問232-1) 先手羽生NHK杯選手権者、後手先崎八段で戦型は相矢倉。しかし、先手が最近はやりの早囲いを目指した為、後手が動いて戦いが始まった。 その後手の攻めだが、桂を6五へ跳ねたのがやや疑問で攻めの効果がそれほど出ない形で終盤戦へと入っていった。今、△7七歩と最後の一歩を玉頭へ叩いたところ。このような局面は良く出てくるが、この歩は取った方が良いか逃げた方が良いか難しく常にその場で考えることになる。この局面はどうか。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問232-2) 後手の攻めを受けきり、今▲7四桂と反撃に出たところ。実戦はこの後の手が疑問でさらに(後手は)形勢を損ねることになったが、ここでは普通はどちらに飛車を逃げるべきか。解説でも、あるいは感想戦でも話された次の一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問232-1解答)「拠点を残さないのが基本」 このちょっと前にも△7七歩を打たれ、その時は▲8八玉と逃げたが、この場合は▲7七同桂と取るのが普通だ。先ほど逃げたのは、△6五の桂が当たりになっていて忙しいことやまだ一歩があることなど様々な状況から逃げた方が良いとの判断。この場合は、▲同桂と取り、△同桂成に▲同玉が味の良い受けで一歩もない後手は手を作るのが難しい。 矢倉あるいは相振りで7七の地点、3七の地点に歩を叩かれることは良くあるが、7、8割は取った方が良い場合が多い。むろんその局面局面でしっかり読みを入れなければならないが、迷った時は拠点を残さないように受けると考えて良いだろう。 |
(問232-2解答)「先手で追われない、飛車を押さえ込まれない場所に逃げる」 飛銀両取りなので飛車を逃げるのは仕方ない。問題はどこに逃げるかだが、このような場合は、常にさらに先手で追われないところに逃げるのが基本。 たとえば7二や9二へ逃げるのは8三銀と打たれてまた逃げなければならない。△8四飛は▲7五銀打と飛車取りに打たれながらさらに上部を厚くされてもっともまずい。 実戦は△8一飛と引いたが、▲7二銀に△5一飛となってこの飛車がまったく使えなくなってしまった。 ここは解説でも話していたが、△8三飛と一つ浮く一手。▲7二銀なら△7三飛であるし、▲7五銀打は飛車取りではないので6二の銀を逃げる余地がある。実際にはこれでも▲6二桂成から▲7四銀と打たれて後手が苦しいかもしれないが、本譜よりはまだ紛れる余地があったようだ。 本譜は△8一飛に▲7二銀と先手で押さえの駒を打った後、▲4四角から3三の地点を攻め、寄せの基本のような攻め方で後手玉をきれいに寄せ切った。 |
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