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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年2月22日出題)

第237問(2010年2月21日丸山九段-三浦八段戦)
(問237-1)
先手丸山九段、後手三浦八段で戦型は横歩取り△8五飛。両者とも研究手順とも思える程のものすごい早指しで終盤戦に突入していった。
今、△4九飛成と金を取って先手玉に詰めろをかけた手に対し、▲2二飛成と王手をかけて応手を聞いたところ。ここは”手筋”という訳ではないが、どのように受けるべきか良く読んで次の一手を指すことになる。

(答えはこの下に)
(難易度・・・超難問



(問237-2)
一旦は先手玉に詰みの局面も生じ、後手が勝ちになった時もあったが、それを逃し難解な局面が続いた。しかししだいに先手が優勢となり、下の局面は、今度は先手が必勝局面になっている。
先手玉は詰む訳ではないが、ここで丸山九段の指した万全の一手は?

(難易度・・・やや難



(これより下に解答)

(問237-1解答)「複雑な読みの背景」
ここは、三択で△6一玉、△4二金打、△4二金のうちどれが最善かを考えることになる。△6一玉が一番指したい手で、▲8三角に(持ち駒を使わずに受ける)△7一玉が利けば良いが、▲7二銀△8二玉▲7一銀打△7三玉に▲6二龍から精算されて詰んでしまう。そこで、▲8三角には△7二角と合駒することになり、角を手放すと先手の詰めろが消え、この局面も難しい。感想戦では、△4二金打も出たが▲4四桂などがあり、やはり難解。
実戦は、△4二金と上がり、▲4一銀なら今度は△6一玉ではっきり勝ちなのだが、(△4二金には)▲4二同龍から▲3三金と打って3四の金を外す手があるため、これも難解な勝負になった。ただ、本譜は、先手玉に詰みが生じたのでこれが正着だったのかもしれない。


(問237-2解答)「入玉を確定させる」
ここはすでに先手の必勝局面になっているが、ここで丸山九段は▲3三玉とさらに玉を入り、入玉を確定させ勝ちを安全なものにした。詰まないと思えば、攻める手も考えられないことはないが、▲4二金と桂を外すのは△2二飛などがあり危ないし、何より四段目という位置自体が、相手に駒をたくさん渡すといきなり詰んだり、2二に金駒を打たれていっぺんに寄せられたりすることもある危険な位置。そこでじっと▲3三玉と上がって△1四角に▲3二銀と打つのが安全な一手。

実戦は、先手玉がまったく寄らなくなり、後手玉も詰むまでにはまだ時間がかかることになるが、勝ち目がなくなった為、後手の投了となった。

※本譜の途中で先手玉に発生した詰みは、変化の多い難解なものでした。それでも感想戦ですぐに三浦八段が読み切って話し始めたように、あと60秒あれば詰ませていたかもしれません。この手順しかないというもので収束部しか余詰めのない”きれいな実戦の詰み”なので、「今週の実戦の詰み」に出題予定です。
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