第244問(2010年4月11日中座七段-豊川七段戦) |
(問244-1) 本日の対局は先手中座七段、後手豊川七段で相掛かり戦となった。序盤、後手の豊川七段が△8五飛と研究手順から端を攻めて力戦調の戦いが始まり難解な中盤戦へと推移していった。 下図は終盤、△6五桂に▲6六銀と逃げ、さらに△7七桂打と追撃したところ。2三の角が6七にも利いており、次にこのまま6九の金を取られると先手玉はもたない。ここで先手中座七段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問244-2) 長い終盤戦が続き熱戦となった本局。その最終盤が下図。今△8五桂と王手で打ち、▲8七玉と寄ったところ。ここで後手豊川七段の指した一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問244-1解答)「飛車筋をさえぎる底歩」 ここで何度も出題している飛車筋をさえぎる一段目の歩がここでも受けの好手であり手筋。▲7九歩とこちらに打つことも出来、この後実際に打つことになったが、この局面では、玉が広い8九の方へまず打ちたい。 気をつけなければならないのは、7筋に歩の利く局面では、△6九桂成と取られ▲同玉に△7七歩を打たれほとんど(▲8九歩は)受けになっていないということ。しかし、金を取られてもすぐに厳しい攻めが来なければ、底歩の価値は十分にあると言える。 |
(問244-2解答)「玉頭を制する詰めろ逃れの詰めろ」 ここで豊川七段の指した△9五銀がこの一手とも言うべき味の良い「詰めろ逃れの詰めろ」。この局面、△8六歩と歩を叩くのも筋は良いが▲9六玉と上がられると逆に次の手が難しい。また、後手玉は、▲9一飛△8三玉▲8一飛成△8二合駒▲9四金までの詰めろになっている為、この筋を防がないで詰めろをかけると負けてしまう。 そこで△9五銀が△8六金からの詰めろを見ながら、▲9一飛からの詰めろも消した「詰めろ逃れの詰めろ」。 また、このような玉と玉が向かい合っている局面では、ほとんどその間に味方の駒がある方が有利になる。そういう意味でも△9五銀は勝負を決めた一着となった。 本譜は、▲8六金と受けて△同銀なら▲同玉と取って玉頭の勢力を奪回しようとしたが、△9七桂成と桂を捨てたのが軽妙な手順。この桂を捨てることで△8五歩を実現し、先手玉を即詰みに討ち取った。 |
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