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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年4月19日出題)

第245問(2010年4月18日屋敷九段-吉田四段戦)
(問245-1)
先手屋敷九段、後手吉田四段で定跡通りの相矢倉戦となった。
端で一歩を交換した後、先手の屋敷九段は一旦▲9八香から穴熊に入ったが、▲3五歩から再び仕掛け、図は▲2六にいた銀を▲2四歩△同銀に▲2五銀とぶつけたところ。ここでは、相手の駒をさばかせない為にどのように受けるのが正しいのか。後手吉田四段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問245-2)
銀交換後の▲6四銀が厳しく、後手が攻めさせられる展開となったが、それでも△9七歩成から△8六歩と必死に食い付きを図った。今△8五桂と打ったところだか、ここで先手屋敷九段の指した一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問245-1解答)「味方の駒を応援に出して、相手の駒を進撃させない」
ここでは△3三銀上と4二の銀を足すのがこの一手となっている。△2五銀と取るのはもっとも悪く、▲同桂と跳ねられては支えきれない。しかし、このまま▲2四銀と取られるのも△同歩に▲同角でも▲2五歩でも薄い玉頭から一気に攻め込まれる。そこで△3三銀上と4二に銀がいることを利用してこの銀を上がるのが味良い一手。▲2四銀には△同銀と取って、とにかく3七の桂をさばかせないことが大切。

(問245-2解答)「穴熊から出て行く受け」
居飛車穴熊でも振り飛車穴熊でも、穴熊の場合、玉の固さ、遠さを生かして王手が来る前に攻めきってしまうのが理想ではあるが、強襲を受けると駒得になっても玉周辺をはがされることも良くある。
そのような場合は、相手に駒が少ないので、穴熊の補強を行うよりも穴から出て行く方が玉が広くなり捕まりづらくなる。
ここでも▲9八歩などと補強するのではなく、▲8八玉と出て行くのが安全な受け。もちろん、相手の攻め駒(持ち駒)が少ないということが条件になるが、△9七桂成には▲同玉と取って銀香では簡単に寄らない。また、桂を二枚持つと▲1四桂からの攻めがより厳しくなる。

本譜は、△9七銀を見て△9六歩と一本叩いた後、△3五銀と受けの勝負手を放ち、終盤猛追したが後一歩届かず、最後、先手玉は広い場所まで逃げ切ることに成功した。
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