第246問(2010年4月25日杉本七段-野月七段戦) |
(問246-1) 先手杉本七段の位取り中飛車に対し、後手の野月七段は角道を止め持久戦模様に。その後、双方が穴熊に入って相穴熊となった。 仕掛けたのは先手の杉本七段だが、カウンターぎみに反撃すると中央で駒がぶつかる難しい戦いに。しかし、攻めきれないと一旦▲4六銀と歩を払った手に対し、△7八飛と金取りに飛車を打ち下ろしたのが下の局面。ここで先手杉本七段の指した一手は?もちろんこの金をタダで取られてはならない。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問246-2) 先手の攻めを凌ぎ、後手が少し良くなった局面。今▲3五桂と金取りに打った所だが、終盤は受け間違えるとすぐに逆転する。ここで後手野月七段の指した一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問246-1解答)「形だけで判断せず相手の攻めを考える受け」 飛車打ちに対し、この受けの手筋にも頻繁に出る底歩(▲5九歩)で受ければ横からの攻めには固い。しかし、▲5九歩には△7六飛成と成り返られ、これが銀桂取りとなってしまい、今度は上から攻められることになる。 ここで杉本七段の指した一手は▲6八角と角を引きながら、△7六飛成で後手になることを嫌った一手。6五の桂は金で取られる分にはそれほど痛くないが(少しは痛い)、先手先手で龍で取られると後手陣が鉄壁になり、大差になってしまう。 角を引き戻されるのは辛いが、これでしばらくしのぎ、飛打ちからの攻めに期待することになった。 |
(問246-2解答)「桂頭の銀、定跡なり」 金取りだからと言って、金を逃げるのはどこへ逃げても▲2三桂不成が王手銀取りであっと言う間に逆転してしまう。ここでは△3四銀と桂頭に銀を打つのが「桂頭の銀、定跡なり」の格言通りのピッタリした受け。▲4三桂成△同銀引で、後手からの攻めが一段落した。 本譜は、この後、▲4一金と打ち、▲3一金からの食い付きを見たが、△6八飛成と直ちに飛車を切った手が好手で、△3八歩が入っては後手の一手勝ちが明快になった。その後先手玉に必死がかかり、後手に最後の王手をかけたが続かず(先手が)投了した。 |
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