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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年5月3日出題)

第247問(2010年5月2日窪田六段-畠山七段戦)
(問247-1)
序盤、先手の窪田六段が1筋の端を突き越す趣向を見せると、戦型は先手の位取り中飛車穴熊対後手畠山七段の居飛車穴熊となった。お互い金銀四枚で玉を固めた後、居飛車の機敏な動きで仕掛けが成功したかに見えたが、先手も反撃を開始すると、二転三転の難解な戦いが繰り広げられた。
下図は終盤、5五で角交換が行われ今▲4一角と金に角をかけたところ。ここで指された後手畠山七段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問247-2)
上の局面からかなり進み、146手目△3九金と先手玉に張り付いたところ。次に△3八金と取られてはすぐに終わってしまうので受けるしかないが、どのように受けたら良いか。寄せられそうだった局面から再びチャンスが巡ってきた下の局面。ここで指された先手窪田六段の三手一組の手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問247-1解答)「終盤は攻防の一手を考える」
▲4一角の狙いとしては、単純には▲2四香△同銀▲3二角成がある他、▲7二龍と入って先手になる(次に▲3二角成の二枚換えの)手、もう少しゆっくりした手なら▲4三歩や▲4四歩なども見ている。
ここで畠山七段の指した一手は、7六の龍に当てながら、3二の金にヒモを付ける△5四角。この手は▲7二龍と入られる手も消している上、△4六歩と突くと3六、2七の地点にまで利いてくる攻防の一手となっている。
実戦は、▲7一龍に△3六歩から後手の攻勢が続いた。

(問247-2解答)「相穴戦特有の駒割り感覚」
ここで窪田六段の指した手は、▲3九馬△同龍▲2八金と金を取って金を埋める手。実際先手の穴熊をつぶされないように受けるにはこれしかないのだが、相穴熊戦では、角(馬)より金や銀の方が重要になることが多い。と言うのも、飛車や角など大駒では受けが利かなかったり、金や銀を玉の側に張りつかれると受けが難しくなったりすることが多いからだ。

本譜は、この▲2八金で受かっているかどうか微妙な所だったが、飛角を切って食い付きを図った後手の攻めが切れてしまい、先手が完全に受けきることに成功した。
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