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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年5月17日出題)

第249問(2010年5月16日鈴木(大)八段-大石四段戦)
(問249-1)
先手鈴木八段の早石田に後手の大石四段は△4二玉で応えた。その後、石田流対居飛車穴熊の戦型となった本局は、後手の意外な仕掛けで戦いが始まった。この仕掛けはやや無理気味に近い感じのもので少しずつ先手の模様が良くなり、今△3七角成に▲6六飛と回ったところまで進んだ。ここで後手大石四段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問249-2)
後手が猛追し、一時は形勢不明の局面まで進んだが、▲3八金と打ち、△7八龍と龍が逃げるようでは先手が持ち堪えた感じになった。ここで決め手とも言うべき攻防の一着は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問249-1解答)「大駒をさばかせない一着」
▲6六飛と回り、△同馬には▲同角の味が良く、△6五金では▲9六飛と逃げられて金が遊んでしまう。ここは、先手良しではと思っていたが、じっと△6五桂と打った手が差を開かせない渋い一着。
飛車に当たっていないと言うことは、先手になっていないと言うことで、中終盤に指す手としては緩いことが多いのだが、次の△4九金からの攻めを見た手でこの局面では好手だった。この後、▲4一飛に△4九金と打ち、この打った桂も4七の銀と交換することになり、後手が猛追した。

(問249-2解答)「天王山に打つ攻防の一着」
ここで鈴木八段の指した一手は▲5五角。これが敵玉を睨みつつ、2八の銀取りにもなっている攻防の一手だった。
5五の地点は天王山と言われ、回りに何もない場合、飛車はどの位置にいても利きの数は同じだが、角の場合は、もっとも利きの数が多くなる。と言うことは、それだけ強力になる可能性が高いということ。この場合も、(▲6六歩がある為)左下にこそ利かないがそれ以外はすべて利きが通っていて、非常に味の良い一手となっている。

本譜はこの後、銀をうまく助ける手がなかった為、△3三桂打とこちらも手筋の桂を放って玉頭に攻め味を残したが、▲2八金と銀を取って先手玉が安定。▲4四桂で△3二の金を取ると、後手からの攻めを余して、後手玉を即詰みに討ち取った。
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