第251問(2010年5月30日及川四段-近藤六段戦) |
(問251-1) 先手及川四段、後手近藤六段で、戦前の公言通り、近藤六段の本家ゴキゲン中飛車。これに対し、先手の及川四段が後手の仕掛けを角道を止めることで一旦は受け止めた為、じっくりとした息の長い戦いになった。 下図は終盤の入口、△6六に桂を打ち込み、▲同銀△同歩▲同金となったところで、次にどうするかと思っていたら△6五銀と銀をこの位置に打ち込んで来たところ。このまま△6六銀▲同銀△同角と一枚余分に取られてはいけないが、ここで先手及川四段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問251-2) 後手の攻めを一旦受け止めた後、先手が▲9二歩から▲9三歩と後手の端を攻めたのだが、その攻めを今度は、後手が丁寧に受け止め、依然難しく長い終盤戦が続いている。今、▲8六歩と桂取りに催促した手に対し、△7七桂成と銀を取り、▲同桂と取り返したところ。ここで後手近藤六段の指した一手は何か? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問251-1解答)「棋理に反した辛抱の勝負手」 ここで指された及川四段の▲4四歩は驚きの一手だった。つまり、普通は▲6七歩や金銀を受けるなどするのが普通の受け。この▲4四歩は飛車がすでに敵陣にいる場合には十分あり得るしむしろ当然だが、飛車の成れるところだけにいわゆる棋理に反する手で、勝てば勝因、負ければ敗因となるような手であった。 |
(問251-2解答)「馬は自陣に」 先手から次に▲6五桂と跳ねて▲7三銀を狙う手があるので、ここでは解説でも言っていたように△5五金と打つのがひと目。しかし、実戦は△5四角成と単に角を成って桂跳ねを受けた。金を温存したまま指したこの手も、「馬は自陣に」の格言通り非常に手厚い一手であり、この後の先手の攻めが少しずつ足りない感じになっていった。 本譜は少し足りなそうとは言っても実際はギリギリの攻め合いが続いた。しかし、最後は攻めがはっきり足りなくなり、先手が駒を投じた。 |
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