第252問(2010年6月6日西川和四段-戸辺六段戦) |
(問252-1) 先手西川四段、後手戸辺六段で、先手の向かい飛車、後手の三間飛車という相振りになった。中盤は長く、押したり引いたりの細かい折衝が続いたが、後手の玉頭を盛り上げた手に先手が反発して戦いが始まった。 今、▲9四香と先に香を捨て、△同香に▲9五歩と香を取り返そうとしたところ。ここで後手がこの香を助けるために指した一手は?五手一組の手順が求められる。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問252-2) 先手には歩がなく、攻めが非常に細い状態が続いている。今▲7二桂成と成った局面で、何と大駒がどちらも取りになっている上、今成り捨てた桂も取れるという状態だ。三つの駒が取れるが、ここではどれを取るのが正解となるのか。局後感想戦で話された正解は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問252-1解答)「攻めの駒と守りの駒の交換は、守りの駒の方が大切」 ここで平凡に△9五同香と取るのは▲同角と取られ香交換になる。矢倉の時によく出てくるが、一般的に攻めの桂香と守りの桂香との交換は攻めの桂香を交換した方が有利になる。この場合も同じで、▲9九の香が持ち駒になるのは大きく、単純交換に後手はしたくない。 そこで考えられる手順は、△8五香と打つ手。▲7七角に△8七香成とさらに追いかけ、▲5五角に△9五香とこの香を助ける。手持ちの香は使ってしまったが、相手に香を取られることなく、香得になって、先手の攻めはさらに細くなっていった。 |
(問252-2解答)「難解な終盤の選択は正確な読みで」 ここはどれを取る手もありそうで難しい。それでも△9五歩は▲7三角成△同桂に▲9四香と打たれ、これは一番危ない。次に実戦もそうであったが、△7二金と成桂を取る手。「玉の側の成駒を取る」というのは一番自然で、読み切れなかった場合、正しい選択になることも多いが、この局面では先手に勝負形を与えてしまった。 感想戦で示された手順は、△5五歩と角を取る手。▲7三成桂と取るくらいだが、△同桂と取って、金香の持ち駒では、飛車も当たっているし、はっきり切れていたということだ。 本譜は、△7二金に▲6六香と打ち、△5三飛▲6四角となって、先手が飛車を取る展開になった。飛車を取ると、切れそうだった先手の攻めがつながり、バラバラだった後手陣は収拾がつかなくなり、多少粘ったものの以下十数手で後手の投了となった。 |
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