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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年9月27日出題)

第268問(2010年9月26日 近藤六段-勝又六段戦)
(問268-1)
先手近藤六段、後手勝又六段で、本家のゴキゲン中飛車。但し、近藤六段が先手だった為、よくある後手のゴキゲン中飛車ではなく、初手▲5六歩から中飛車にする5筋位取り中飛車となった。
下図は、やや先手の模様が良かったと思えた中盤から▲7二歩の疑問手(感想戦)によって、先手の対応が難しくなったところ。△7四飛に歩が打てない為、この金取りの受け方が難しい。ここで指された先手の指し手と感想戦で話された手順は?すでに先手が苦しいという前提で。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問268-2)
終盤に入り、角銀交換で駒得の上、飛車も成りすでに後手優勢の局面。しかし今▲5三銀と銀を打ち込み、最後の勝負にかけたところ。この手に受け間違えると逆転する可能性もあるところだが、ここで指された後手勝又六段の一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問268-1解答)「千日手やむなしの手順」
▲7七桂は△7六歩。他の駒は△6五桂と跳ねられてしまうので、金をかわすよりないが、▲6八金と寄るのは、△8四飛と寄られ、▲7八金△7四飛の千日手になってしまう。もっとも結果としてはこの千日手もやむなしとの感想戦であった。実戦は、▲7九金と引いて打開。これでも難しいかと思われたが、△6五銀から△7六銀と出る手が思いの外厳しく、後手優勢へと傾いていった。


(問268-2解答)「数を足す味の良い壁角解消」
こういう風に打ち込まれた駒を△同金と取るのはもっとも悪い(こういう駒を取らないようになって初心者脱出)。実戦で指された手は△3一角。壁になっている角を動かしながら、5三の地点に利きを足すという何とも味の良い一手になっている。

本譜は、これ以上攻め入ることが出来ず、一旦▲5八飛と引いて△5七歩には▲7八飛を見せたが、△5七桂成が好手。▲7八飛に△6九龍とかわし、△5八歩から△4八成桂で美濃を攻略。最後は、11手詰、筋の良いちょっとやさしめの「実戦の詰み」が出来た。
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