第275問(2010年11月14日 野月七段-深浦九段戦) |
(問275-1) 先手野月七段、後手深浦九段で戦型は一手損角換わり。相腰掛け銀になり、先手が力をためた手に後手が仕掛け、攻め合いに突入した。 下図は、△9五香で一歩を取り、▲同香に△7七歩と打ったところ。このように矢倉の形で金頭に歩を打たれることは良くあるが、ここでの応手は?先手野月七段の指した一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問275-2) 先手が入玉できるか後手が止められるかという終盤戦が続いた。下図は△5二桂の一手詰を防ぐ為、▲7二香と捨て駒を放ち、△同飛に▲7三銀成と玉の退路を開けつつ飛車取りに銀を成った局面。ここでの次の一手は、玉の受けという訳ではないが、飛車取りに対する受けであると同時に入玉を阻止する為の一手と考えてもらいたい。ここで指された後手深浦九段の次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問275-1解答)「矢倉の△7七歩は取る手から考える」 △8五桂がある形で、△7七歩と金頭に打つのは良く出てくる。そのような場合、局面によっては▲7九金と引いたり▲6八金と寄ったりして相手の攻めを余す場合もあるが、その歩が拠点となり攻めきられてしまうことが多い。なので数手前にも△7七歩と叩かれて▲同桂と取っているが、ここでも駒損になるが、▲同金と取って、△同桂成には▲同玉と上部へ玉が出て行く形にする方が良い。 なお、相振りでも同じように矢倉や金無双の形に△3七歩と叩かれることがあり、この場合もやはり取る手から考えたい。 |
(問275-2解答)「終盤は駒を逃げずにつなぐ」 ここで飛車を逃げると、その飛車を追いかけられながら上部を開拓され入玉が止まらなくなってしまう。この瞬間に打った△7一香がなるほどと言う手で、▲7二成香には△同香と取っておいて先手玉は受けがなくなり、後手玉は詰まない。 この前後の入玉をめぐる攻防は妙手が飛び交い見応えがあった。△7一香に▲7四玉△8二飛も気づきにくい妙着。 本譜はこの後も入玉できるかどうかの駆け引きが続いたが、△5一銀と引き、△5二銀打から玉を押し戻した後手が最後には寄せ切ることに成功した。 |
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