第276問(2010年11月21日 丸山九段-豊川七段戦) |
(問276-1) 先手丸山九段、後手豊川七段で、角道を開けたまま▲2五歩に△3三角と上がった為、先手が角を交換し、後手が四間飛車に振る角換わり振り飛車になった。 その後、先手は玉頭位取りに、後手は石田流に構え、後手から動き戦いが開始された。下図は、玉頭での競り合いで、△7四同歩に▲8四歩と歩を取り込んだところ。右側ですでに戦いが始まっている為、△8六歩と垂らしておくような手も考えられるところだが、ここで指された豊川七段の一手は渋い受けの手だった。その一手とは? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問276-2) 先手が駒組み勝ちし、そのまま押し切るかと思われた本局だが、端を手抜きして攻めた手がやや危険だったか、今△9七歩成とここを破られている。王手なので▲同香と取るか▲7九玉と逃げるかほぼ二択だが、ここで指された先手丸山九段の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問276-1解答)「自陣のキズを消す合わせ歩」 ここで後手が攻め込むのは駒を渡してしまい▲8四歩の垂れ歩が生きてくる、ということで、豊川七段の指した一手は△8三歩の合わせ歩だった。このような自陣のキズを消す歩は、渋い手で、まれに緩手になることもあるが、簡単にはつぶされることもなくなり、好手になることも多い。 実戦は、この後お互いに合わせ歩が何度も出現し、渋い応酬が行われ、難しい中盤戦から終盤戦へ入っていった。 |
(問276-2解答)「時間差でと金を払う妙手順」 と金を残すのはどんな場合でも悪くなることが多いので、この場合も取れるなら取ってしまいたい。しかし、▲同香と取ると、△同香成▲同玉に△7六歩が角による王手で次に△7七歩成を見られ危険だ。 そこで実戦、丸山九段の指した一手は▲7九玉。一旦玉を戦地から離しておいて、後で▲9七香とと金を払って、△同香成なら▲8三歩からの攻めを見た。 本譜は感想戦で豊川七段が悔やんでいたように9九から飛車を打った手がまずかったのだろうか。かなり形勢は接近したと思われたものの、王手角取りで角を取られ、右側へ逃げ込んだ先手玉は安泰になり、逆に玉頭から攻められた後手玉は持ち堪えることが出来なかった。 |
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