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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年1月31日出題)

第285問(2011年1月30日 松尾七段-丸山九段戦)
(問285-1)
先手松尾七九段、後手丸山九段で、戦型は一手損角換わり腰掛け銀。先手が仕掛けを見送った手に対し、後手が猛然と仕掛けて戦いが始まった。
今、△7七歩と急所の歩を叩いたところ。このまま金を取られてはいけないので何か応接するしかないが、このような局面での自然な一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問285-2)
後手の猛攻を一旦凌ぎ、先手も飛車を打ち、今▲2五歩と後手の玉頭に襲いかかったところ。銀を取られるより厳しい攻めがないなら、普通は銀を引く一手に見えるが、ここで丸山九段はそれ以外の手を指した。ここで指された後手丸山九段の次の一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問285-1解答)「自玉の急所の歩は取る手から読む」
今までにも何度も取り上げているが、矢倉のような形で△7七歩と打たれた手に対しては、まず▲同桂と取る手から読みたい。相手に歩の持ち駒がたくさんあり、他に駒の入る箇所がないような場合には、まれに▲6八金とかわして受けるようなこともあるが、この局面のように、相手に歩がなくなる時は、まず▲同桂と取る手が正しいことが多い。


(問285-2解答)「飛車の横利きを緩和するギリギリの利かし」
とりあえず△3三銀と引く一手かと思っていたが、ここで丸山九段の指した一手は△7一金と6一の金を寄って飛車に当てる手だった。このような手は、もちろん飛車が逃げてくれれば大きな利かしとなるが、逆に逃げないで攻められると緩手で危険な一手となる。上図▲5二飛成は△8五角があるので、横には逃げられないが、▲2四歩と踏み込んだり、▲3二飛成と切る手があり、その後の寄せに成算が持てれば踏み込みたいところだ。

もっとも、実戦はさすがにそれは無理との読みで△7一金と寄ったのであり、結局▲8四飛成と飛車は成り返るしかなかった。その後、△2九角から第二の猛攻。▲1八飛の横利きを消すと、△7七金と玉頭に食い付き、2四の銀は逃げることなく先手玉を寄せきることに成功した。
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