将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2011年5月9日出題)

第298問(2011年5月8日 佐藤(天)六段-豊島六段戦)
(問298-1)
先手佐藤六段、後手豊島六段で出だしは横歩取り。しかし先手の佐藤六段が飛車を引いた為、相掛かり戦となった。その後、先手が右桂を跳ね、軽い仕掛けで戦いが始まり、図は、▲6三角と金取りに角を打ち込んだところ。
当然この金は取られてはいけないが、どのように受けるのが良いか?後手豊島六段の指した次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問298-2)
後手の反撃が急所を突き、どちらが良いのか分からなくなった下図。今△3七角成と成られ、次に△4七馬と指されてははっきり後手勝ち。そこでここで指された先手佐藤六段の次の一手は?受けの手筋として良く出てくると言えば次の手はこれしかない。

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問298-1解答)「将来の攻めを見据えた受け」
ここで平凡に受けるなら△5三歩だが、これだと先手にもなっていなければ将来5筋に歩も利かなくなる(さらに5筋からの逃げ道もなくなる)。そこで豊島六段の指した一手は△4五銀。飛車にあてて先手を取ることが一つの目的だが、さらに飛車がいなくなった時に△5六歩とここの急所から攻めることも見据えている。


(問298-2解答)「玉の早逃げ」
△4七馬とされてからでは▲7九玉と寄れない。また、8九まで入ってしまえば、仮に△6九飛と王手金取りに打たれても▲7九歩で金を取られている間に後手玉を攻めることが出来る。という訳で、ここでは▲7九玉と寄る一手。△4七馬なら▲8九玉とさらに寄り先手玉もしばらくは耐えることが出来る。

本譜はまだ難しいかと思ったが、続く△5八歩成から▲8九玉に△6八ととスピードアップした手が一連の好手順で先手陣に肉迫。二枚の桂を7六に打ち金銀を薄くすると、最後は即詰みに討ち取った。
先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ