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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年5月2日出題)

第297問(2011年5月1日 船江四段-村山五段戦)
(問297-1)
先手船江四段、後手村山五段で戦型は横歩取り△8五飛戦法。先手の中住まいに後手も△5二玉の最新形へと進み、合わせ歩から先攻した後手が、巧みに飛車交換まで行ない十分な形勢になった。
下図は今△2九飛とおろしたところだが、苦しいながらもここはすぐに終わらせない為に先手は受ける一手。どのように受けるのが良いか?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問297-2)
△4八龍に▲6九玉と落とし、後手必勝だが、慌てて△4七金と寄るのは▲2六角の王手龍取りで逆転する。と言って、攻めるには△4七金以外の手ではあまりピッタリした手はない。ここで指された後手村山五段の次の一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問297-1解答)「飛車をさえぎる金底の歩」
今までにも何度も出てきているが、一段飛車に一段目に打ってその利きをさえぎる歩は受けの常套手段。ここでも△7九飛成や△4九銀を防ぐために受けるとしたら▲3九歩以外にない。「金底の歩、岩より固し」の格言もあるように金底に歩を打つことで陣形が固くなる。


(問297-2解答)「玉の早逃げ」
ここで村山五段の指した一手は△5二玉。早逃げというよりは、王手龍取りのラインから外れて△4七金を可能にした一手だ。ただ、玉は5三より5二の方が安定しており、そう言う意味でも味の良い一着となっている。

本譜はこれに▲5四角と打ち、これが詰めろだが、△6四銀とここもしっかり受け、△4七金を実現。その後数手で先手の投了となった。
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