第296問(2011年4月24日 杉本七段-伊奈五段戦) |
(問296-1) 先手杉本七段の三間飛車穴熊に後手の伊奈五段は銀冠から米長玉で対抗。後手からの仕掛けはうまくいったように見えたが、先手も巧みに反撃、終盤に入った下図は熱戦となっている。 今△5四桂に▲5七馬と引いたところだが、ここで後手伊奈五段の指した三手一組の手順は?攻めと受け、両方を組み合わせた手順。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問296-2) 先手が手勝ちしそうな局面で、このまま一手スキをかけ続ければそれでも勝ちだが、3三馬の威力もあって明快ではない。そこで先手の杉本七段の指した一手は?穴熊党ならまずそう指したい実戦的な一手。 |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問296-1解答)「攻めのアヤを作ってから受ける」 ここで伊奈五段の指した手は、△4五歩▲同歩に△3三馬。攻めるのは△4五歩と突いて4六の地点を開けておきたい。しかし4五に位を取られると、逆に4四に打ち込まれる手が出来てしまうので突くのが良いかどうかは悩むところだ。そこで、突き捨ててから△3三馬と事前に逃げたのがプロらしい巧妙な手順。これで4六に打ち込む手を見せ、終盤の寄りつきに期待を寄せた。 |
(問296-2解答)「穴熊の受け−埋める」 後手玉に詰めろをかけるだけなら▲1四銀などはあるが、受けられた時、詰めろが続くかどうかというと難しい。また、先手玉は△3八桂成と来られても▲同金△同龍が詰めろではないのだが、やはり駒を渡すと詰めろになってしまう場合もある。 そのように考えると複雑だが、一旦▲3九歩と受けておくのが実戦的な一手。これで桂を渡さない限り、先手玉に二手スキをかけるのも難しくなった。なお、金を▲4八金寄などと逃げるのは△4七歩と叩かれて、逆に受けがなくなってしまう。穴熊の受けは”埋める”のが基本ということを覚えておきたい。 実戦は、後手も△3一香と受けて頑張ったが、▲1四香から▲4一龍と徐々に網を絞っていった先手が、上部脱出を防ぎつつ正確に寄せきった。 |
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