第305問(2011年6月26日 石川七段-深浦九段戦) |
(問305-1) 先手石川七段の三間飛車に、後手の深浦九段は居飛車穴熊。非常に力のこもった長い中盤が続いた。そしてその結果、後手の深浦九段が攻め、石川七段が受けるという展開になった。下図は、その後手の攻めがつながるか、先手が切らすことが出来るかという局面。角香交換の駒得だが、5三にと金を作られていて、このと金を使われては勝てない。ここで先手石川七段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問305-2) 後手の攻めは細いが、4八のと金をすぐに外す手も見えず、やはり難しい終盤が続いている。今、飛車を追いかけている最中で、▲7四成桂と引いたところ。ここで、深浦九段の指した一手は?この飛車はどうすべきか? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問305-1解答)「遊び駒でと金の活用を防ぐ」 ここで石川七段の指した一手は▲6六金。角香交換の駒得で、7三に成桂まで作っている先手は、5七のと金さえ使わせなければ優勢だ。そこで、じっと▲6六金と上がって、△5六とを防いだのが、遊び駒を使いながらの味良い一着。これで後手からの攻め筋が一瞬見えなかったのだが、深浦九段は△3五歩から△3六香と非常手段。まだまだ難解な、つながるか切れるかの勝負が続いた。 |
(問305-2解答)「終盤も駒の損得は大切」 「終盤は駒の損得より速度」という格言はあるが、終盤でも駒の損得は大切なことも多い。この格言が成立するのは、一手争いの寄せを演じている時などで、(そのような場合は)飛車を逃げずに寄せに手をかけることが正解になる。また、もし成桂を取ってその桂を使ってより厳しい手がある場合には△7四飛と桂と刺し違えるのが好手になることもある。 但しここでは、桂を取っても、また飛車を逃げずに厳しい手というものもない。という訳で、深浦九段の指した一手はもっとも平凡な△8一飛。このように、とりあえずじっと飛車を逃げておいて△1六歩からの攻めを間に合わせようとした。 本譜は▲4六金と▲3七玉を見せた手に対し、△5七歩が好手だった。これで4八のと金を取られることもなくなり、先手玉を包囲。一筋を破られると最後は、入玉の望みもなくなり先手の投了となった。 |
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