第306問(2011年7月3日 行方八段-菅井四段戦) |
(問306-1) 先手行方八段の居飛車に後手の菅井四段はゴキゲン中飛車。現在、最も多い超速▲3七銀から▲4六銀に対し後手が△4四銀とガッチリ受けて振り飛車穴熊にした為、先手も穴熊にし、相穴熊戦となった。そして今△3四飛と歩を払いながら次に△4七とから△3八飛成を見たところ。ここで先手行方八段の指した一手は?一手と言うより三手一組、さらにその後まで読み進めなければならない手順は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問306-2) 終盤に入った所では、先手十分な形勢だったが、やややり損ない、後手にからまれてしまっている。今▲5四角と8一の金に狙いをつけて角を打ったところ。現時点では詰む訳ではないが、駒が入ると詰めろになる可能性もあるし、▲3三飛成は間違いなく詰めろだ。ここで、後手菅井四段の指した一手は?穴熊ならではの受け方とは? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問306-1解答)「飛車の成り込みを先手で防ぐ」 ここで行方八段の指した一手は▲3五歩と飛車の頭を叩く手。△同飛に▲4四馬と先手で引くのが狙いだ。問題の局面は、▲2一馬など駒得する手も部分的には悪い手ではないが、△4七とから飛車成を許しては先手は勝てない。そこで、図のように馬を引き、以下△3六飛に▲5四馬△3四飛▲4五馬△3一飛▲3二歩△4一飛ととにかく常に先手で飛車をいじめ、へき地に追いやることに成功した。なお、図で△3八とと飛車取りに入る手もあるが、▲3五馬△2九とと取った形は先手の方がずっと良いため、この飛車交換なら先手十分という訳だ。 |
(問306-2解答)「王手をさせない埋め方」 ここで菅井四段は△7二香と打った。穴熊の受け方は、駒を埋めるのが基本だ。さらに言うなら王手されないように埋めるのがその後の攻めに重要になるということ。たとえば△7一香と受けても一手の価値はあるが、▲6三角打とつなげられるとまた7二へ打たなくてはならない。最初から△7二香なら△6三角打は、受けなくても詰めろにはならないということ。 本譜は後手玉が”ゼ”であり、さらにまだ受けられる要素も残っている為、後手の攻めを切らす、もしくは相当遅らせることが出来るかどうかだったが、飛車まで切られて食いつかれると最後は受けがなくなり先手の投了となった。 |
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