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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年10月10日出題)

第319問(2011年10月9日 山崎七段-森内名人戦)
(問319-1)
先手山崎七段、後手森内名人で戦型は相掛かり戦。先手が銀を繰り出し攻勢を取ったのに対し、後手は飛車を8五に据え反撃を狙った。その後、二枚銀をうまくさばいた先手が優勢になったかと思われたが、角の引き場所を間違え(感想戦による)、下図は、△3八銀から△4七銀成と玉頭に成銀を作られ形勢急接近、不明にまでなっているところ。△5八銀の一手詰を防がなければならないが、ここではどのように防ぐのが良いか。先手山崎七段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問319-2)
後手の攻めは細く、一時は受け切れそうに見えた所もあったが、下図は7七のと金が大きく後手優勢。▲4六香と飛車取りに香を打ち、飛車が逃げれば、▲4三香成から▲2三飛成を見たが、ここで後手の指した決め手とも言うべき一手は?
もちろん飛車をタダで取られてはいけない。

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問319-1解答)「相手の駒に当てて受ける」
この局面、▲6九玉の早逃げが見える人は筋が良い。しかし、ここで早逃げすると、△5八銀▲7九玉△6七銀成▲同金に△8七飛成と攻められてしまう。つまり、8筋に飛車がいる為、この局面に限っては早逃げが利かないということ。そこで考えられるのは、銀を使って一手詰を防ぐ手。▲4九銀と打っても受けられるが、先手になっておらず、後手は好きな手が指せる。このような局面では、▲5八銀と相手の駒に当てて受けるのが筋。これなら銀取りの先手になっているので▲4九銀より強い受けと言える。但し、4七の成銀にヒモが付いているような場合には逆効果になるのでその時々での読みが必要となる。


(問319-2解答)「大駒交換を迫り、攻め筋を緩和」
ここで森内名人の指した一手は△2四飛。この手は▲同飛△同歩となると、後手になるが、それ以上に先手玉の形が悪く、飛車交換は出来ないと読んだ上での一手。そして飛車交換出来ないなら、▲4三香成から▲2三飛成を消して十分過ぎる程の一手の価値がある訳だ。

本譜は▲4三香不成と非常手段に出て、それから▲2五銀と飛車交換を拒否したが、今度は△4五桂が厳しく、以下数手で先手の投了となった。
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