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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年10月17日出題)

第320問(2011年10月16日 小林(裕)六段-木村八段戦)
(問320-1)
先手小林六段、後手木村八段で戦型は横歩取り△8五飛戦法。△5二玉型の最新形から、後手が△2五飛と飛車交換に出て、下図は△5四角と据えたところ。次に角切りから飛車打ちを狙っているが、ピッタリした受けがある訳ではない。▲2三歩の叩きも相当なので攻め合いになるのかと思いきや、小林六段は受けの手を選んだ。ここで指された先手の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問320-2)
後手が角損の攻めを決行。一時は、先手が駒得し十分になったかと思われたが、巧みに攻めをつなぎ再逆転模様。さらにそれを先手も凌ぎ、今▲5八玉と早逃げし、再び形勢混沌の様相を示してきたところ。
ここで後手木村八段の指した一手は?攻める手もあるので、この局面の次の一手としては難しいが、受けに限って言えば、この一手とも言えるやさしい一手。

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問320-1解答)「自陣飛車でしばらく面倒を見る」
ここで指された小林六段の次の一手は▲8九飛の自陣飛車。一般的に飛車や角など大駒は受けとしてはあまり利用しやすいものではない。他の駒があれば、7六や8八へ投入して簡単に受かるが、今はそうした駒はない。そこで、攻め合いに出る手も相当だと思うが、この辺りは棋風も出やすい所で、実戦は▲8九飛と自陣に打って面倒を見ることにした訳だ。もっともこれでも△8七角成から▲同飛に△6九銀〜△4九飛の強襲があり、駒得して先手の模様は良いものの、飛車を自陣に使ったしまった為、しばらく相手の攻めを受け続けることになった。


(問320-2解答)「玉の早逃げの連発」
先手が▲5八玉と早逃げしたのに対し、後手も△3一玉と早逃げで返した。先手の攻めは▲6三角成から▲5二とであるので、この早逃げが損になることはまずない。もっとも、後手はこの後さらに△2一玉から△1二玉と早逃げの連発で後手の攻めを遅らせていくことになる。

本譜は途中で何回か逆転した様子であったが、早逃げした後手玉を捉えることが出来ず、△2六龍と回った龍が大活躍。最後は先手玉に必死がかかった。
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