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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年11月7日出題)

第323問(2011年11月6日 永瀬四段-広瀬七段戦)
(問323-1)
先手永瀬四段、後手広瀬七段で、2手目に△8四歩と居飛車を明示した為、先手が中飛車に振り、対抗形になった。その後、後手が3〜5筋の位を取り、先手が反発して戦いが始まった。
下図は、先手から見て角銀交換の駒得となっているが、玉の固さは後手十分、桂頭にキズもあって難解な局面。ここで先手永瀬四段の指した一手は何か?△3六歩の桂取りや△4九銀の割り打ちなど守りたい所はたくさんある。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問323-2)
終盤、△3七金と上部を押さえ、後手が勝ちそうではあるが、▲1六金から▲2三銀と猛追し、一歩間違えば逆転しそうな局面でもある。後手玉は、現在詰めろ(▲3四銀成△同玉▲4三銀)で、先手玉は、△4八歩から△3九飛成と追いかけても詰まない。ここで指された後手広瀬七段の次の一手は?実戦で指せるかどうかは難しいが、あまりにもピッタリした一手で決め手になったと言えば見つかるだろう。

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問323-1解答)「敵の打ちたい所へ打て」
ここでは△4九銀の割り打ちより△3六歩の方が厳しい。▲5五飛と先手で出ても△4四銀打から△3六歩が入ってしまう。この△3六歩を打たれてはダメなので、逆にこの地点に先手から打つのが手筋。△3六同銀と取らせれば、△3六歩がなくなるばかりか、▲3五金と逆にこの銀を攻めることも出来る。もっともこのような手は相手の駒を呼び込むことにもなるので、たとえば玉の守りがほとんどないような時には逆効果になることもあるので注意したい。
本譜はこの銀取りに構わず△4九銀と打ち、▲3五歩△5八銀成▲同銀と二枚替えになり、難解な終盤戦に突入した。


(問323-2解答)「守りながら相手の攻め駒を攻める」
ここでの次の一手は△3一桂。この手は2三の銀取りであると同時に4三の地点も受けているまさにピッタリの一手。特に先手玉は銀が入ると△4八銀の一手詰と言うこともあり、これで勝負も決まった。

もっとも実戦は▲3四銀成△同玉の後、▲5九玉と早逃げで頑張った。さらに入ってきた△4八金を王手で抜くなど追撃したが結局届かず、最後は先手玉に必死がかかった。
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