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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年11月14日出題)

第324問(2011年11月13日 阿久津七段-村山五段戦)
(問324-1)
先手阿久津七段の三間飛車に、後手の村山五段は△6三銀型に構えた後、一直線に穴熊を目指した。しかし、完全に入りきる前に、先手が機敏に▲6五歩と仕掛けて戦いが始まった。そして、さらに銀捨ての強襲が決まり、先手優勢のまま終盤へ。下図は、今▲5二龍と銀を取り、さらに3二の金取りになっているところ。後手から見ると、金香交換の駒損で、しかも後手。7九の成銀もまだ半分遊んでいるので良い理屈はないが、ここは踏みとどまりたいところ。ここで指された後手村山五段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問324-2)
上図3二金を守った後の▲6一とが本局ポイントの一手。と金を使うのは本筋ではあるが、この局面で間に合うかどうかは難しいところ。実際この後、後手が急追。下図、差は急激に縮まり△5九金と張り付いたところ。この局面をどう見るか、そして先手阿久津七段の指した次の一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問324-1解答)「穴熊の受けは駒を埋めるのが基本」
ここでは△3一金と引いたり、△3三馬と馬で金取りを受ける手もあるが、普通は△3一香と駒を一枚入れるのが基本(金があれば△3一金打の方がより固い)。
これに対し、先ほども書いたように▲6一ととこのと金を使おうとしたのが本局。△6七歩と後手もと金で攻め、一手差争いに突入した。


(問324-2解答)「手抜きで一手勝ちを目指す」
ここで阿久津七段の指した一手は▲4一金。受けるなら▲4八金打と入れれば固いが、△4九金▲同金△5九金で後手に千日手の権利を与えてしまう。また、局面は後手が不利なことを考えると、(後手は)喜んで千日手にしてくる。
そこで多少危険だが、▲4一金と一手勝ちを目指したのが本局。

△6八飛と打たれると、もう△4九金は取れないが、▲2八玉と上がって斜め駒を渡さなければ僅かに余せる形。最後は後手の猛追を凌ぎきり、後手玉に必死をかけた。
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