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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年12月12日出題)

第328問(2011年12月11日 郷田九段-広瀬七段戦)
(問328-1)
先手郷田九段、後手広瀬七段で戦型は相穴熊。お互いガッチリ組み合った後、5筋〜7筋で駒がぶつかり、今▲7四香と先に香得をした先手が金取りに打ったところ。もちろんこのまま金を取られてはいけないが、ここで後手広瀬七段が指した次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問328-2)
一手一手、詰めろかどうかを判断しなければいけない難しい終盤戦になった。▲7四銀打に、今△9五桂と桂を打ったところ。この手は詰めろではないが、次に△7九龍と取られると、受けがない。ここで先手の郷田九段の指した一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問328-1解答)「金をかわす薄氷の受け」
▲7四香に対し、普通は△同銀と取り、▲同銀に△6一歩と受けるか△8四香と反撃するかなど考えるところだが、ここで広瀬七段は△6一金寄とこの金をかわして受けた。この手は、相手に他の持ち駒があったり、6筋に歩が利いたりすれば成立しない手ではあるが、そうした様々な攻め筋を読んだ上での薄氷の受け。
これで受かるのなら、駒損をしないのでもちろんその方が良いわけだが、ちょっとでも読み抜けがあるとたちどころに負けにしてしまう恐い受けでもある。

(問328-2解答)「角筋をそらす:大駒は近づけて受けよ」
▲7七歩と受ければ自陣は固いが、切らされてしまう恐れがある。ここは▲6六歩が第一感のいわゆる”筋”。角は5五の位置が最も良く利いている訳で、△6六角と取らせれば、その天王山の角を動かせると同時に、実戦もそうなったが、▲7七銀打と受ける手が先手になる「大駒は近づけて受けよ」の格言通りの一手にもなっている。

本譜はこの後も一手争いの難解な終盤戦になった。先週と同じく再び難しい詰めろかどうかの局面が生じたが、詰まないと踏んだ郷田九段が後手玉に必死をかけると、最後は王手ラッシュをかいくぐって逃げ切ることに成功した。
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