第330問(2011年12月25日 久保二冠-森内名人戦) |
(問330-1) 先手は久保二冠で後手は森内名人。先手の久保二冠が三間に飛車を振ると、後手の森内名人は飯島流引き角戦法を採用した。そして、久保二冠が飛車を切って先攻、しかし森内名人もらしい粘りで頑強に抵抗し、攻めきれるか受けきれるかギリギリの攻防が続いた。今▲4四歩に一旦△6四角▲5五歩の交換が入ったところだが、依然▲4三歩成△同銀▲4二歩の攻めが厳しい。ここで後手森内名人の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問330-2) 一時は後手が凌ぎきったかに見えた所もあったが、下図は細い攻めをつなげて先手が勝ちになった局面。もっとも盤面自体は、先手玉に詰めろがかかっており、後手玉は詰まない。しかし、このような局面においては良く出る理想的な詰めろ逃れの詰めろがある。久保二冠の指した次の一手は? (追記:後手玉には即詰みもありました。最長15手ですので考えてみて下さい。) |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問330-1解答)「浮き駒を事前にかわす受け」 ここで森内名人の指した一手は△3三銀左。2二の銀は玉しか利いていない為、玉が動くと取られてしまう。そこでこの銀をこの後、玉の逃げる方へ未然にかわしておくのが好手だった。 実戦は、それでも▲4三歩成から▲4二歩だが、△同玉▲2一馬に△3二銀と引いてギリギリの攻防が続いた。 |
(問330-2解答)「終盤の攻防手−詰めろ逃れの詰めろ」 ここでは▲2五銀があまりにもピッタリした一手。▲4三金や銀などどこまで決めてから打つかは難しいが、久保二冠はここで直ちに▲2五銀と打った。受けては△3六桂からの詰めろを消し、攻めては▲4三銀からの詰めろとなっている。 実戦は詰めろを消すため、△2四金と打ったが、▲5六歩と急所の角を攻め、その角と詰みに必要な桂を取ると、最後は後手玉を即詰みに討ち取った。 (追記:後手に詰みがあることを指摘されました。その手順は、▲2一銀△同玉▲4一龍△3一角▲3二金(▲3二銀・▲1二金でも詰み)△1二玉▲1五香△1三歩▲2一銀△1一玉▲1三香不成△同角▲1二銀成△同玉▲2一龍まで。初手▲2一銀がちょっと気付きにくい好手。実戦の▲2五銀があまりにピッタリだったため(▲2一銀が)見えなかったのかもしれません。) |
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