第332問(2012年1月15日 畠山七段-三浦八段戦) |
(問332-1) 先手畠山七段、後手三浦八段で戦型は横歩取り。しかし序盤、僅かな形の違いから後手が仕掛け、一気に大駒交換、終盤戦へと突き進んでいった。下図は、飛角交換が行われた直後の銀香取り。こういう場合は、どのように受けるのが良いか。感想戦では別の手も候補に挙がったが、ここでのもっとも自然な手、後手三浦八段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問332-2) 後手の反撃手段である△2六桂は金に狙いをつけたよくある攻め筋。このような時、この金はどのように受けたら良いか。初心者向けの問題だが、やはり良く出る形なので、覚えておきたい。 |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問332-1解答)「金駒は玉の側に引きつけるのが基本」 銀香取りの場合、多くは駒の価値の高い銀の方を助けるのが普通で、さらにその銀は玉方面にかわすのが最も多く基本の受けとなる。ここでもその基本通り、三浦八段は△6二銀と銀を引きつけて受けた。ただ、実戦はこの後、意外に攻め合いが(後手にとって)大変だったことから、この銀を放置して攻める手も感想戦では話された。但し、放置するのは非常手段であり、まずほとんどの場合は駒の価値の高い方を助けるものと思った方が良い。 |
(問332-2解答)「金は引く手に好手あり」 ここは実戦でも指された通り、▲3九金と引いてかわすのが自然な一手で好手。後手玉が詰んだり、あるいは詰めろになるような手があるならともかく、何もせずに△3八桂成と金を取られながら玉の側に成桂を作られてはいけない。そこで金は逃げることになるが、「金は引く手に好手あり」の格言通り、引いた形は陣形がしっかりしていると言う訳。 実戦は△3八歩▲4九金△2八飛▲3六香から攻め合いになり、一手早く後手玉に襲いかかった先手がそのまま攻めきることに成功した。 |
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