第337問(2012年2月19日 木村八段-畠山七段戦) |
(問337-1) 先手木村八段、後手畠山七段で戦型は角換わり腰掛け銀。先手が仕掛け、これに後手が反撃し、壮絶な攻め合いが予感される中盤戦に突入。 今、▲6四角の牽制に△8五桂と跳ね出したところ。ここで指された先手木村八段の次の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問337-2) 終盤、先手に受けのミスが出て、後手が勝勢になった。それでも最後のお願いとばかりに今▲4三桂と王手したところ。先手玉の詰みが読めれば、正解は一つという訳ではないが、普通このような局面ではどちらへ逃げるのが正解となるのか。有段者なら次の一手は迷わず一ヶ所しかない。 |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問337-1解答)「桂先の銀定跡なり」 矢倉戦において、桂が銀取りに跳ねてきた時その桂先へ逃げるように、ここでも▲8六銀とかわすのが最も自然で、これ以外では逆に危険だ。 手抜いて▲7三角成は△7七桂成が両王手。▲8六歩や▲8七歩は手堅いが、やはり銀桂交換の駒損は、避けられるならどのような局面においても避けたい。 桂先の銀は、特に美濃や舟囲いなどを桂で崩す時の受けとして出てくるが、「桂先の銀定跡なり」の格言通り受けておく手はほとんど悪手になることはない。 |
(問337-2解答)「終盤の玉の逃げ方」 この王手の桂に対する逃げ場所は4ヶ所ある。が、初心者を脱した人なら3二や4一へ逃げる人はまずいないだろう。つまり、玉が逃げる場合は、相手の駒から出来るだけ離れるのが常識で、2筋へ逃げるのが自然だ。 問題は△2一玉と△2二玉の違いだが、終盤においては常に、「詰められる場合に、多くの駒が必要になる」ように逃げるのが正解となる。たとえば、△2二玉だと、あと角一枚もしくは銀が二枚先手に入ると詰みになるが、△2一玉なら角一枚及び銀二枚渡しても詰めろにはならない。この局面は、先手玉が詰めろな為どちらでも勝ちだが、様々な実戦においては、その一枚が勝敗に直接影響することが多いので気をつけたい。 本譜は、仕方のない▲4二馬に、△8五飛から一気に先手玉を詰めにかかった。そして最後は長手数、駒をすべて使い切って詰め上げた。(その詰みについては「今週の実戦の詰み」で取り上げました) |
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