第336問(2012年2月12日 羽生NHK杯選手権者-郷田九段戦) |
(問336-1) 先手羽生NHK杯選手権者、後手郷田九段で戦型は角換わり腰掛け銀。定跡形の仕掛けに、後手の郷田九段が工夫を見せて中盤過ぎ未知の戦いに入った。 下図は、△2七銀の飛車取りに、もう飛車は逃げていられないと、▲6一角の反撃を開始したところ。ここで指された後手郷田九段の次の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問336-2) 終盤、どちらが一手勝っているのか難しい局面だが、▲2三歩の垂らしに、△6九銀とこれまた難しい次の一手を放った。先手玉の詰む詰まない、後手玉の詰む詰まないをすべて読み切ることは高段者でも出来ないが、ここでは味良い攻防の一手がある。羽生NHK杯の指したその味良い次の一手とは? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問336-1解答)「攻防の角」 △1八銀成と飛車を取って攻め合い勝ち出来れば受ける必要もないが、▲5二角成から▲2三歩は厳しく攻め合い負けしてしまう。となると、普通は△4二金右とか△4三金右とか玉方面に動かして受けるのだが、ここでは薄く、▲3四角成や▲2三歩があってまずい。 と言うことで、郷田九段の指した一手は△4三角。感想戦でも仕方ない、と話していたが、5二の金を受けると同時に7六の銀取りにもなっている攻防の一着だ。ただ、▲5五桂のあたる場所でもあるのでその後の読みも必要。 実戦もその▲5五桂から激しい終盤戦に入った。 |
(問336-2解答)「攻防の馬」 △6九銀は△7八銀成▲同玉△5八龍からの長い詰みを見ている手。本来はその詰みを確認して(詰みなら)受けなければならないが、難しくて読み切れない時も多い。しかし、ひと目相当危ないとは感じるはずだ。 そこで羽生NHK杯の指した▲3四馬が攻防に利くピッタリした一手。 先手玉の詰めろを消しながら、後手玉に詰めろをかける「詰めろ逃れの詰めろ」と放送中は思ったが、後手玉に詰めろはかかっていなかったようだ。但し、7六の角が動くと詰みが生じる、いわゆる攻めを限定させた攻防の一着。 実際、実戦は△7八銀成▲同玉と進み、先手に銀が入った為、自動的に後手玉に詰めろがかかった。 本譜はその後△3三金打と頑張られたが、2二で精算し必死をかけると後手の最後の攻めをかいくぐって勝利した。 |
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