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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年8月6日出題)

第360問(2012年8月5日 北浜七段-山崎七段戦)
(問360-1)
先手北浜七段、後手山崎七段で戦型は一手損角換わり。但し、後手の山崎七段が工夫し、定跡形と微妙に違う形で戦いが始まった。下図は銀の交換の後、飛角交換も行われ、今△4七歩成と成った所。次の三手は当然そう進むであろう手順。ここで指された次の三手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問360-2)
上図から難しい終盤戦は続いたが、少しずつポイントを重ねた後手が徐々に優勢になっていった。そして下図、今▲4二龍と王手されたところ。優勢を維持するためにここではどのように受けたら良いか?後手山崎七段の指した次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問360-1解答)「王手で自陣のと金を払う」
ここで指された手順は▲4一飛△6二玉▲4七飛成。こうしてと金を払っておくのは重要な一手で、このと金を残したままでは△4六角のような手があって先手がまずい。後手としてももちろんと金を払われるのは想定内で、一手かけて龍を引き戻させたとも言え、手番を握って攻勢を取る予定。
本譜は、この後感触の良い△6五角から△4六歩の垂らしで後手が少しずつ指しやすくなっていった。

(問360-2解答)「相手の攻め筋を読んで受けを考える」
▲4二龍の王手には(玉が逃げるのも含めれば)全部で5通りある。しかし、普通は5二へ合駒するので三通り。まず△5二金と上がるのは瞬間先手だが、一段目へ入られると角取りと▲8一龍が残り結局先手にはなっていない。△5二銀と節約して受けるのは、持ち駒の銀を持っていることで、先手玉が詰むかどうかと言うことであれば考えられる受けではあるが、特に先手玉に関係なく、▲4四桂と打たれると危険だ。
実戦の△5二銀打と持ち駒を一枚入れたのが手堅い一着。▲4四桂には手抜いても▲5二桂成△同銀で何ともないのが一枚投入した効果。

本譜は、それでも仕方ない▲4四桂に△1九成銀とさらに香を一枚手に入れたのがさらに手厚い一着で以下数手で後手の勝ちとなった。
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