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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年9月10日出題)

第365問(2012年9月9日 阿部(光)四段-郷田棋王戦)
(問365-1)
先手阿部光瑠四段、後手郷田棋王で戦型は角換わり腰掛け銀。先手玉の近く、6筋から動いた先手だったがあまりうまく攻め込むことが出来ず、勘違い?もあり後手に駒得を許した。下図は△8四桂と急所に反撃を受けたところ。ここで悪いながらも先手阿部四段の指した一手は?一気につぶされない為の受けの一着は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問365-2)
銀香得になり後手優勢。今▲2五桂と矢倉に対する手筋の攻めを放ったところ。手の広い局面だが、ここでは何を受けたら良いのか?ここで後手郷田棋王の指した一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問365-1解答)「一枚投入する受け」
ここで▲6七銀とか▲8五銀とか平凡に逃げるのは△7六銀の追撃が厳しい。そこで銀桂交換になり決して良いとは言えないが、▲6七銀打と一枚入れておくのが簡単には崩れない指し方。手筋の△6六歩にも▲同龍と引き上げて辛抱し、チャンスを待った。

(問365-2解答)「馬の利きを活用」
「馬は自陣に」の格言通り、△5四馬と引くのも味良く第一感だが、その手を含みに郷田棋王は先に△6三歩と龍の入りを防いでおいた。
矢倉戦において▲2五桂のような銀取りは頻繁に出てくる。それが序盤であったり、△2四銀と逃げた時に▲3三歩と叩けないような時(3筋の歩が切れてなかったり持ち駒に歩がない場合)には、逃げる手も普通だが、この実戦のような局面では、逆に逃げないのが普通。

本譜は先手玉も固く、まだまだ大変のようにも見えるが、△8三香から△8六銀と手筋の攻めで駒得を拡大すると、先手の龍も捕まり、後手の完勝譜となった。
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