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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年10月29日出題)

第372問(2012年10月28日 橋本八段-羽生NHK杯選手権者戦)
(問372-1)
先手橋本八段、後手羽生NHK杯で戦型は先手の角交換振り飛車。中盤、お互いが生角を打ち合う珍しい形から、模様の取り方の難しい将棋になった。それでも先手がやや指しやすそうな局面だったが、勝負手を連発して逆転に成功、下図は△4九金と打って先手が凌げるかどうかという局面になっている。ここで指された先手橋本八段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問372-2)
最終盤、後手優勢で勝ちまであと少しの局面。後手からの攻めとしては△5八銀不成が平凡ながら厳しい手だが、今▲1四歩と端を取り込まれた所で攻める手はちょっと危険だ。ここで指された後手羽生NHK杯の次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問372-1解答)「攻めの拠点である大駒に当てる受け」
4九の金を取るのは、どちらで取っても△同香成で簡単に終わってしまう。と言って、何もしないと△3九金が厳しい。そこで、橋本八段の指した一手は▲9九飛成。こういう時は、とにかく攻めの拠点である大駒を攻めることで凌げることが多い。実戦は△7八飛成にさらに▲8七角打と大駒を追いかけた。

(問372-2解答)「端を謝る場合」
ここで羽生NHK杯の指した一手は△1二歩。歩の取り込みに歩を謝るのはもっとも基本の受けではあるが、有段者なら当然のごとくただ単に謝ってはいけない。たとえば△1六歩と一旦垂らし▲同香なら△1二歩と受けたり、歩が多ければ連打する手も考えることになる。端を謝る場合は、特に中盤では大きな損なのでそれ以上の得がどこかになければならない。考え方として、初心者の場合は単に歩を受けても良いが、上級に行くに従い無条件に歩を受けるのはやめるようにしたいもの。

本譜は端だけしっかり守れば後手玉が安全になるので△1二歩と打ち、先手は▲3五歩から▲2六玉と早逃げをし玉頭戦に望みをかけたが最後は万全の寄りで先手玉を即詰みに討ち取った。
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