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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年11月5日出題)

第373問(2012年11月4日 稲葉六段-丸山九段戦)
(問373-1)
先手稲葉六段、後手丸山九段で戦型は一手損角換わり。最新の形から、後手が馬を作った後、一気に攻め掛かり激しい終盤戦へ突入した。そして途中、寄せ切れそうな局面もあったが、先手も頑強に粘り決め手を与えず、下図は△9四銀に▲7四玉と入玉直前の所まで進んでいる。先手玉は詰まず、後手玉は受けがないように思えたが・・・ここで受けに回った丸山九段の一手からさらに延々と終盤戦が続くことになった。ここで指された後手丸山九段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問373-2)
先手玉が入玉出来るかどうかという所まで進んでおり、今△8一飛と△5四馬の利きを頼りに龍に当てたところ。ここで指された先手稲葉六段の次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問373-1解答)「詰みを見ながら受けに手を回す」
玉を追いかけた後に手を戻すのは普通はダメなことが多いが、ここで△3二銀と受けに回ったのはしぶとい一着だった。▲6一の飛車が動くと△5四飛から追い返す手が生じるのがポイントで、この飛車を動かしての詰めろがかけられない為、先手の応手も難しいと言う訳。実戦は結局▲6四歩と守ることになり、△2三銀と角を手持ちにすることに成功。先手玉を寄せ切れそうな局面にまで持っていくことが出来た。

(問373-2解答)「入玉の攻防」
△8一飛に対して普通は▲同龍△同馬に▲9二銀など先手で馬に当てたいと考えるが、△9一香などこの馬が8一へ来ると簡単には入玉出来なくなる。そこで稲葉六段は単に▲8二銀と打って受けた。これは△9一飛で龍は消えるが、入玉を止めるのは容易でないしぶとい一着。

本譜はこの後も先手玉が捕まるのか入玉出来るのかの攻防が延々と続いた。先手の▲9三の玉は二段目、一段目を追われながらもどんどん進み、最後は▲2一玉の状態で、後手玉の詰みとも関係しながらギリギリ凌ぎきることに成功した。
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