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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年11月12日出題)

第374問(2012年11月11日 三浦八段-杉本七段戦)
(問374-1)
先手三浦八段、後手杉本七段で戦型は後手の角交換振り飛車。先手が駒組みに工夫をこらし、戦いは8、9筋から全面戦争へと広がっていった。下図は、先手も反撃をくい玉を▲5九まで逃げ、また後手玉も追い出され△6四玉となっている。今、4一の金を取った龍が再び▲7一龍と戻ってきた所。6二の金取りではあるがこれが受けにくい。ここで指された後手杉本七段の次の一手は?3手まで進めて欲しい。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問374-2)
後手玉が入玉を完成し一時は優勢になったが、応手を誤り先手玉を捕まえることが出来なくなり再び逆転、先手が優勢になっている。今、△3五歩と1二の角筋を通した所だが、ここで指された先手三浦八段の次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問374-1解答)「一目散に入玉を目指す」
6二の金を先手で(龍に当てて)受けられれば受けたい所だが金がないためそのような手段がない。そこで、杉本七段の指した一手は△7五玉の早逃げ。そして▲6二龍にはさらに△8六玉と一目散に入玉を目指した。普通、入玉は追われながら入るのが普通で、このように金駒を取られながら自ら入ると言うのは、阻止されることが多い。ただ、本譜は後手のと金や成桂も厚く、止められるかどうかギリギリの攻防が続き、結果としては入玉することに成功している。

(問374-2解答)「自分の利きを止めず相手の利きだけ止める」
△1二角の筋が通ったままでは入玉出来ないので、どこかで止める一手だが、何も考えず▲2三歩などと自分の龍の利きも止めてしまうと勝てない将棋になる。後手からは2筋に駒を打つ手が急所で(△2七角の王手や△2八金、△2八歩や歩の垂らしなど)、ここに手段が生じると先手玉は狭く危険だ。
という訳で実戦は▲3四桂。自分の龍の利きは止めず、相手の利きだけを止める一手が正解。

本譜はこの後も先手玉を寄せようとしたが、結局捕まえることは出来ず、相入玉の規定の駒数に足りず後手の投了となった。
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