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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年11月19日出題)

第375問(2012年11月18日 山崎七段-中田(宏)八段戦)
(問375-1)
先手山崎七段、後手中田宏樹八段で戦型は相掛かり。先手が▲2八飛と深く引き棒銀を繰り出すと、後手は△8五飛と一つ引いて反撃を狙った。そして中盤、先手は銀を出したり引いたりしながら巧みに歩得を果たしていきやや指しやすい局面に。今、▲2六飛と歩を払いながら飛び出したところ。▲2一飛成を許すわけにはいかないので受ける一手だが、どのように受けたら良いか。ここで指された後手中田八段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問375-2)
先手は飛銀交換という大きな駒得をし優勢となっているが、現時点では後手玉も固い。今△4六歩の垂らしに、一旦▲5七歩と馬取りに打ち△4五馬となったところ。ここで指された先手山崎七段の次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問375-1解答)「場合の手-下に受ける歩」
飛車先の歩を受ける場合は、普通なら△2三歩とこの位置に受ける。しかし、ここでは3五に銀が進出している為、▲2八飛と一旦引かれた後、すぐに▲2四歩の合わせ歩が来て忙しい。実際、本譜も▲2八飛〜▲2四銀〜▲2三歩の攻めが来ている訳で、△2三歩と受けた時に比べると一手も二手も手を遅らせていることが分かると思う。但し、▲3五銀のような駒がないのに△2二歩と受けるのは、駒が後退している訳で良くないことが多いのも級位者の人には知っておいてもらいたい。

(問375-2解答)「歩には歩-基本の受けもよく考えて」
と金を作らせていけないのは将棋の基本だ。だから垂らされたらすぐに歩を受けておくのは、初心者であればしっかりしていると褒められるところ。但し、今までも良く出てきたように、有段者になったら、無条件で受けるのはやめにしたい。△4六歩に対し▲4八歩と歩を受けてしまうと、もう4筋に歩が利かなくなる。この局面のように、先手が大きな駒得をしている場合は、▲4八歩と受けてもそれほどの損にはならないが、特に主張する所もなく、一方的に利かされるのは避けたいものだ。

本譜はこの後、後手も先手玉に迫ったが、捕まえることは出来ず、先手のと金が間に合い最後は後手玉が即詰みとなった。
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