第384問(2013年1月27日 行方八段-郷田棋王戦) |
(問384-1) 先手行方八段、後手郷田棋王で戦型は相矢倉。ガップリ四つに組み合い定跡通りの進行から先手が仕掛けたが、途中で変えた手もあまり成功したとは言えず、後手十分のまま終盤戦へ入っていった。 下図はすでに最終盤、後手必勝局面まで進んでいる。今△4九角と飛金両取りに打たれ、受けがないと思われるところだが次の一着はなかなかしぶとい一手で最後の勝負につなげた。ここで指された先手行方八段の次の一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問384-2) 上図から一時的に先手玉を凌がれたが、後手玉も簡単には寄らない形。それでも下図は▲3三歩と垂らされ、次に▲3二金からの詰みを見られている。次はこの一手と思われる所だが、その前に郷田棋王はちょっと工夫した。ここから指された次の三手は何か? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問384-1解答)「敵駒に当てながら片方を守る」 「両取り逃げるべからず」は普通だが、手抜いて後手玉に迫る手段がない。そこで、行方八段の指した一手は▲8五銀。これはなるほどな一着で、7六の金を守りながら角取りにしている。角を逃げれば飛車を逃げられるし、飛車を取れば、角を取って攻めやすくなる。 ただこの手には、△6四桂がピッタリの返し技。こう打たれるとなかなか逆転する所までにはいかなかった。 |
(問384-2解答)「早逃げの前に形を決める」 受けの形として△4二玉の早逃げは、級位者の人にも指してもらいたい一着だ。しかしその前に△7六桂と王手で決めたのが勝つための分かりやすい一手。単に△4二玉でも後手の勝ちには変わりないが、▲8四銀と角を取られた時、△7六桂から変化の多い19手詰を詰めなければならない。△7六桂には▲同銀の一手(他の手は簡単に詰んでしまう)なので、これなら後手玉の詰めろが途切れた瞬間、詰めろをかけて勝ちだ。 本譜は△4二玉に▲3二歩成を決め、▲8三金と打ったが、△7七歩の手筋から△同玉に△6五桂で詰み、先手の投了となった。 |
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