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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年2月4日出題)

第385問(2013年2月3日 羽生NHK杯選手権者-森内名人戦)
(問385-1)
先手羽生NHK杯選手権者、後手森内名人で戦型は一手損角換わり。先手の棒銀に後手は腰掛け銀、先手からの端攻めを後手が受けるという展開になった。しかしそのまま攻め続けるのではなく、▲7四歩から一転B面攻撃、下図は▲6四角から今▲7三歩成とと金を作ったところ。ここで指された後手森内名人の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問385-2)
中盤から常に先手の攻めがつながるか切らすことが出来るかという状況が続いており、少しずつつながりそうな状態になっている。そして最終盤、今▲3四銀と上からかぶせたところ。このような所ではどのように受けたら良いか。すぐにつぶされない為の森内名人の次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問385-1解答)「桂を損しても、と金を払う」
ここで森内名人の指した一手は△7三同桂とと金を払う一手だった。▲同角成と桂損にはなるが、△3六歩と打って桂を取り返しながら自分だけと金を作る読み。但し実戦はここで▲7三角成と桂を取る前に、▲4九香と先に馬に当てた手が機敏だった。△3六歩からの攻めを緩和し、将来の4筋攻めを見て先手攻勢のまま終盤戦へ突入した。

(問385-2解答)「拠点となる歩を進ませない辛抱」
1三は桂も守っているので、△3四同金と取ってしまいたくなるが、▲同歩と進まれると、次に上から金で押さえたり、▲1三飛成の強手もあり受けきれなくなってしまう。このような所では、拠点となる歩を進ませないことが大切。という訳で森内名人の指した一手は△3二銀の受け。先手でもなく、上部を押さえられて辛いが、ただこの方面からの先手の継続手も難しい。

本譜はここで▲8二金と飛車を取りに行った手が盤面を広く見た好手。玉の脇が空いているので飛車を手に入れられれば早い。実際、△8二同飛▲同馬となってからは後手に粘る順もなく、最後は華麗な手順で後手玉を受けなしに追い込んだ。
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