第391問(2013年3月17日 渡辺竜王-羽生NHK杯選手権者戦) |
(問391-1) 決勝戦。先手渡辺竜王、後手羽生NHK杯で戦型は相矢倉。但し、後手が注文を付け、力戦調の将棋になっている。図は、後手が歩を受けないで駒組みを進めている為、今▲2四歩と垂らしたところ。現時点で打ち込む駒はないが、戦いが始まるとすぐに打ち込まれそう。そこでどのように受けるか。後手羽生NHK杯の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問391-2) 中盤、後手が歩を二段目に三枚も打って受けるという珍しい形になった。しかしさすがにそれで形勢が良いはずもなくここは先手の決め所の局面。今、△4八馬と銀取りに馬を引いたところだが、この銀を受けるのにピッタリの一着がある。先手渡辺竜王の指した決め手になるその一着とは? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問391-1解答)「歩には歩の受け」 ここで羽生NHK杯の指した一手は△2二歩。駒落ちの下手であればそれほど違和感のある手ではないが、プロの将棋では珍しい。と言うのも、普通は利かされていると考えられるからだが、△2三歩といつでも打てたのに、それより先手に歩を使わせたこの形の方が良いと判断したと考えられる。 もっとも、実際先手がどこから手を付けるか難しいと思える局面は続いた。 |
(問391-2解答)「優勝を決めた攻防の角」 ここで次の一手▲5六角が銀取りを防ぎつつ、▲7三歩成△同歩▲8三角成を見た攻防の角で決め手となった。しかも、場合によっては▲3四角とこちらの銀を取るおまけ付きの味の良さ。 本譜は、△8二飛とこれを防いだが、▲7三歩成から▲6五桂と数の攻めで着実にリードを広げた。 そして最後は▲7七桂と自玉の懐を広げる味の良い一着まで飛び出し、先手完勝。渡辺竜王が第62回NHK杯テレビ将棋トーナメントの優勝を決めた。 |
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