第398問(2013年5月19日 大石四段-浦野八段戦) |
(問398-1) 先手大石四段(放送時六段)、後手浦野八段で戦型は変則的な駒組みからの相矢倉。先手の大石六段が、▲1七香〜▲1八飛から▲1五歩と突っかけて戦いが始まった。その後、先手が攻めきれるか、後手が受けきれるかという戦いが長く続き、下図はまだその戦いの最中。今▲3四銀とかぶせたところで、先手としては急いで攻める必要はないが、切れない攻めが必要なところ。逆に後手は、桂得し飛車を押さえ込んでいるので、ここを凌いで攻め合いあるいは切らせることができれば優勢になる。ここで後手浦野八段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問398-2) 少しゆるめた攻めが功を奏し、先手が優勢になっている。今▲6三馬と8一の飛車に当てた手に対し、後手も△8三飛と馬に当ててきたところ。この馬を取られてはいけないので、逃げる一手だが、どこへ逃げるのが良いか?先手大石六段の指した一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問398-1解答)「一枚入れてしっかり受ける」 持ち駒を使って攻め合いになるなら、省略して受けることも良くあるが、ここはそう言う場面ではない。浦野八段の指したように、△3二銀としっかり一枚投入して受けておくのが堅実な一着。これで手を稼ぎ、後は相手の手に乗って△1五馬や△4八歩成などの手が指せれば良くなるという考え。 しかし実戦は▲3三銀成△同金に、じっと▲4四歩と垂らした手が距離感を正確に計った好手。手を渡されて△1五馬と香を取ったが、先手も▲7三馬から▲6三馬と着実に駒を活用し、先手優勢になっていった。 |
(問398-2解答)「急所の位置」 受け将棋の人だと、すぐに▲7四馬とまた当て返すことを考えてしまいそうだが、飛車に逃げられた後、7筋に歩が利くようになり、また攻めにも役に立たずかえって逆転の味を与えることになる。実戦は▲5四馬。特に先手という訳ではないが、敵玉をにらみ急所の位置だ。以下△8四香には▲4五桂とこれも急所を攻めて一手勝ちを目指したのが好判断だった。 本譜は、この後一旦受けても十分そうなところを一気に踏み込み、後手玉を寄せ切ることに成功した。 |
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