第399問(2013年5月26日 佐藤(天)七段-山崎七段戦) |
(問399-1) 先手佐藤天彦七段、後手山崎七段で戦型は相居飛車。矢倉の出だしだったが、後手の趣向で定跡形とは離れた駒組みになった。そして先手は穴熊に、後手は四枚の左美濃に固めて、穴熊の玉頭で戦いが始まった。 下図は△5五歩▲同歩に△8五歩と突いたところ。現在先手は桂得しているが、玉頭は相当不安定だ。ここをうまく収められれば先手優勢にもなるが、容易ではないようにも見える。先手佐藤七段の指した一手は?三手一組の手順で。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問399-2) 後手の攻めを凌ぎ、あるいはまた攻めに誤算があったのかもしれない。下図は金と桂香の二枚換えの上、飛角を押さえ込み先手十分の局面。今、△2五飛と飛車を7五から回った所で、当然△2九飛成を許してはならない。ここでは当然の一手とも言うべき受けがある。先手佐藤七段の指した次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問399-1解答)「大駒のさばきを押さえる」 ここで佐藤七段の指した手順は▲5六銀と立ち、△8六歩に▲7七金寄と寄って受ける手だった。△8五歩は取っても△8六歩と垂らされこれを容易に取り除くことが出来ない。そこでまず△5五飛や角のさばきを押さえる為▲5六銀と立った。そして△8六歩に▲7七金寄と固めて置くのがこういう局面での形。 この後、実戦は△6四角にこれも筋の▲8七歩とキズを消しにかかったが、後手も△同歩成▲同金上にじっと△8五歩と打っておいてキズを消させない応酬が続いた。ただ、局面が進むに従い後手の攻めを遅らせ先手が優勢になっていった。 |
(問399-2解答)「攻防の香車」 飛車成りを防ぐだけなら▲2八歩でも受けにはなっている。しかし、こういう局面は▲2八香がひと目であり手筋。歩の上に飛車がいる為、(後手に)適当な受けはなく、△3五飛なら▲3六歩と打ち、どう応じても二枚目の香で飛車を取ることが出来る。なので△9五飛▲9六歩と先手陣が安泰になり先手必勝に見えたが・・・。 本譜は、ここで△2七金が後手驚愕の勝負手。もっともそれでも▲同香△同飛成から再度▲2八香を打ち先手優勢のままの終盤戦が続いた。そして、ここから50手近い熱戦が繰り広げられたが、最後まで後手の攻めは届かず先手の勝ちとなった。 |
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