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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年7月8日出題)

第405問(2013年7月7日 糸谷六段-船江五段戦)
(問405-1)
先手糸谷六段、後手船江五段で戦型はやや変則的だったものの相居飛車の角換わり戦となった。先手が端から動くと、後手は玉頭から反撃。お互い相手の手を見ながらの細かい小競り合いが行われ、しだいに全面戦争へと進んで行った。
下図は、△3七のと金を今△4七とと寄ったところ。駒の損得がまったくないことを考えると、このと金分後手の方が良さそうに見えるが、ここで放った受けの一手から次第に形勢は先手に傾いた。先手糸谷六段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問405-2)
先手の攻めが炸裂し攻め切るかと思われたが、後手もしぶとく粘り、下図は玉を左辺方面へ逃げ出している。但しこのままではすぐに捕まってしまうので、何かしなければいけないが、どのように指したら良いか。後手船江五段の指した一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問405-1解答)「金を投入して陣形の固さを主張」
△3五の角が強烈過ぎるので、6八でさえぎるという考えは当然だ。ただ、桂を二枚も持っているので、桂やあるいは節約することが出来ないかも考えてしまう。
しかし、糸谷六段の指した一手は▲6八金打と持ち駒の金を入れる一着だった。指されてみれば確かにこれが最も固くまたこれによって先手陣にすぐに食い付く手段がなくなった。その為、実戦は△7三銀と後手も銀を投入したが、それでも先手陣の方だけ固く、形勢が徐々に逆転していった。


(問405-2解答)「上部への脱出を目指す」
ここでは△2五金と歩を払いながら金を出すのが、上部への脱出を見てこの一手。これで▲3六馬の筋も消え、後手玉の寄りがすぐには見えなくなった。

本譜はこの後▲8八玉△2一金と進み、どちらが勝っているのか分からない終盤戦が続いたが、最後は先手玉を必死にすることで、後手の船江五段が勝利した。
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