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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年7月15日出題)

第406問(2013年7月14日 高ア六段-飯塚七段戦)
(問406-1)
先手高ア六段、後手飯塚七段で戦型は先手のゴキゲン中飛車に後手の居飛車。そして双方穴熊へ駒を進める相穴熊となった。
どこから戦端を開いたら良いか分からない難しい中盤戦は続いたが、振り飛車の左桂は▲6五まで跳ねられ、先手がポイントを稼いだ。そして、▲2五銀から飛角の筋を通し端攻めを開始した下図は、先手十分な仕掛け。今▲1三歩と叩き、後手が受けきるのは容易でないように見えるが、ここではどの駒で取るのが一番耐えられそうか。後手飯塚七段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問406-2)
先手の攻めが成功し、後手の穴熊は崩壊状態にある。ここで▲2五桂と攻めるのは自然で、それでも勝てそうだが、先手の高ア六段はその前に別の一手を指した。攻防手になるその一手とは?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問406-1解答)「受ける時は、何かを主張できるように」
▲1三歩に対し、△同香と取ることも多いと思うが、それは2五に銀などがいない場合。ここは香で取ると、▲1五歩△同歩▲1四歩で簡単に香損してしまう。また△1三同桂も▲1四銀から飛車の応援もあり殺到されると受けきれない。
そこで△1三同銀と銀で取ったのはこれしかない取り方。もちろん▲1三角成から端に強襲されるかもしれないが、それなら角銀交換で(後手に取っては)駒得だ。駒損しながら受けたのでは見込みはないが、駒得しながらなら辛抱のし甲斐があるというもの。
ただ、実際は、7三で桂の入手も確実になっており、この端攻めを凌ぎきることはかなり大変だった。


(問406-2解答)「終盤の攻防手」
この局面で攻防手と言えば、▲1八香以外ないので簡単だったと思うが、ここに香を据えて玉頭を補修しておいたのが実戦的な好手。後手も△1七歩▲同香△1八歩▲同玉と少し嫌みを付けてから△1五歩とこれも手筋で受けたが、それでも次の▲2五桂は厳しかった。

本譜は▲7三歩成から桂を入手し、▲3一銀が寄せの決め手。先手玉に寄りつく暇を与えず、後手玉を寄せ切ることに成功した。
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