将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2013年11月4日出題)

第422問(2013年11月3日 郷田九段-永瀬六段戦)
(問422-1)
先手郷田九段、後手永瀬六段で戦型は角交換四間飛車。先手は左美濃、後手は穴熊に組み合った後、まだ囲いの途中ではあったが、3筋から小競り合いが始まった。今、△2二歩の受けに▲2三歩と合わせていったところ。「ここでの指し手が難しい」と解説の森下九段が話していた箇所で、後手永瀬六段はどのような手を指したか?その一手とは?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問422-2)
中盤の折衝で、先手が金得を果たし優勢になった。しかし今、△2六歩と垂らされ次に△2七歩成▲4八飛△3七とと飛車を詰まされては逆転されてしまう。ここでの先手郷田九段の次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問422-1解答)「戦いが始まってからでも陣形の整備」
駒組みにおいて離れ駒は、戦いが始まる前に直しておくのが普通だ。しかし、場合によってはその暇がないまま戦いが始まってしまうこともある。そしてそのような時でも、自陣に手を入れる一手と言うのは価値のあることが多い。
たとえばこの局面、2〜4筋が忙しく、本来はこちらで何か動かなければまずいはずなのだが、自分から動いてもマイナスの手しかない場合。△7一金と離れ駒をなくしておくのは明らかにマイナスではないので、それならマイナスの手よりは価値が高いという訳。
但し、特にアマチュアの場合は、まず離れ駒をなくしてから仕掛けるのが基本で、そのことは心しておきたい。

(問422-2解答)「と金を作らせない・・・のはプロから初心者まで一緒」
△2七歩成とと金を作られるのは、▲3八の飛車がいなければ玉から遠いので、放置して攻め合うことも考えられる。しかしこの場合は、すぐに飛車を取られてしまうので▲2八歩はほぼ絶対の一手だ。
これで後続の攻めが難しいかと思われたが、続く△2七香とこの歩頭に打ち込んだ手があまり見ない手筋。▲6七金△2八香成▲6八飛△2七歩成ととにかくと金を強引に作り、勝負へと持っていった。

本譜はしかし駒得であり、後手の穴熊が薄い為、さすがに先手が良かった。▲5四桂から▲6四歩〜▲6二金・▲7二銀と張り付くと、先手玉に詰めろが来る前に、一気にたたみかけ必死を掛けることに成功した。
先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ