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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年11月25日出題)

第425問(2013年11月24日 船江五段-深浦九段戦)
(問425-1)
先手船江五段、後手深浦九段で戦型は相矢倉。しかし、後手が序盤、早めに角を上がるけん制球を放つと、先手もそれに反発し、玉を入城しないまま戦いに入った。
下図は、▲5七金と寄って銀取りでせかした手に△8六歩と突いたところ。当然、▲8六同歩△同角▲7七桂と進むのかと思いきや、先手の船江五段は意表の受けを指した。その一手とは?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問425-2)
△2九飛成に今▲7七玉と早逃げしたところ。攻めの手を考えるのは自然だがあまりはっきりした攻め筋もない。そこで深浦九段はここで受けの一手を指した。後手のその一着とは?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問425-1解答)「一段低く受ける銀」
△8六歩はほとんどの場合、まず取る一手。△5八の銀を取っても、△8七歩成と成り込まれては敗勢だ。なので普通は▲8六歩△同角▲7七桂でどうかと考えるところ。もちろんその局面はかなり危険ではあるが、感想戦でもはっきりしてはいなかった。しかし、実戦はその筋を危険と感じ受けた一手が▲9八銀。通常こんな所へ打たされては悪いとしたものだが、▲5八金から駒得する手を見ている為、ここさえ凌げばという異筋の受けである。感想戦は▲8六同歩の方が良かったらしい話も出たが、それで明からに悪い場合の受けの勝負手として覚えておいて損のない手である。

(問425-2解答)「大駒捕獲の一段金」
本譜はここへ来る前に後手が少し攻め損なっている。しかし△6一金と角を捕獲した手が渋い一着でまだまだこれからの将棋にも見える。

感想戦では、この局面の前、△5二飛と回る所で、△5六歩と突き出すなど攻めていれば寄せ切れたかと思われる局面もあったが、それでも△6一金に▲5三銀と打った局面は難解。飛車を逃げる手の感想までは時間がなくてされなかったが、まだ難しそうな感じで話は終わった。
実戦は、▲5四銀と上から押さえた二手スキの手に対し、先手玉に詰めろがかからず先手の船江五段が逆転勝利した。
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