第424問(2013年11月18日 大石六段-行方八段戦) |
(問424-1) 先手大石六段、後手行方八段で戦型は先手の角交換向かい飛車。序盤先手が工夫しダイレクトに飛車を振ったが、後手も乱戦にすることなくしっかり囲って駒組みは進んだ。中盤、8筋で一気に駒の交換が行われた後、あまり見ない筋の攻めで後手が大きなポイントをあげた。下図はその直後。▲4九の金を銀で取り、▲同銀と取り返したところ。ここで後手行方八段はどのような手を指したか。明快な攻めがあれば攻めたい所でもあるが、先手からの▲6三角や▲8一飛成と駒を取っておく手も大きい。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問424-2) 今、△9三桂と味良く跳ねられたところ。現時点で先手は香損。その上さらに8五の桂までタダで取られてはいけない。ここはさらなる駒損を防ぎつつ、相手の大駒の働きを抑える一手がある、と言えばこれしかない。先手大石六段の指した一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問424-1解答)「飛車を追い返す一段金」 桂取りや▲6三角を防ぐだけなら、逆に△6三角や△5四角などこの筋に打っておく手もあるが、先手ではない。ここは飛車取りに当てて一段目に打つ△7一金が部分的な手筋。先手は二段目から飛車を動かす一手だが、この飛車を追い払うことで、金は使ってしまうが、当分攻めは来なくなるという訳。金を投入しても良いかどうかはその時の状況によるが、知っておいて損のない手筋である。 |
(問424-2解答)「大駒遮断の焦点の歩」 ここは▲8八歩があまりに味良い一着。仮に▲8五の桂取りになっていなくても、急ぎの手がないなら▲8八歩の一手を入れたいところだ。問題図は▲8五の桂取りでもあるので、ここではこの一手と言えよう。 本譜はここで後手の行方八段にポカが出た。(感想戦では)▲4九の銀が動いていないとの錯覚をし△8八馬と切った手がそれで、まれに見る一手バッタリとなった。▲同銀と取られ何も取れず後手敗勢。△7六香からその後も指し続けたが、先手が着実にリードを守り、短手数で大石六段が勝利した。 |
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