将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2014年1月20日出題)

第433問(2014年1月19日 森内竜王・名人-船江五段戦)
(問433-1)
先手森内竜王・名人、後手船江五段で戦型は横歩取り△3三角戦法。浮き飛車のまま、先手は7筋に、後手は2筋に飛車を振り、動きの難しい駒組みが続いたが、後手が仕掛けた瞬間、先手も動き一気に全面戦争へと進んだ。
下図は先手がうまい具合に馬を作って一本取ったかと思われる局面。ここで後手船江五段の指した一手は?簡単に悪くならないその一着とは?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問433-2)
一旦は先手の攻めを凌ぎ、形勢を盛り返した後手だったが、チャンスを逸すると再び先手の模様が良くなった。しかしそれでも下図、今△4九飛を打たれ、ちょっとでも間違えると一気に負ける可能性のある局面だ。
ここで先手の指した三手一組の手順とは?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問433-1解答)「駒損を防ぐ”角には角”」
ここで指された△7二角が桂取りを防ぎつつ馬に働きかける渋い一着だった。解説では、角を取って▲7七角の味が良く、それでも先手良しの評価だったが、先手の森内竜王・名人は、▲6四馬と銀を取り▲3三銀と打ち込むさらに激しい順を選んだ。しかし、この△7二角が後々も良く利いてきて、再び後手にチャンスが巡ってきた。

(問433-2解答)「攻防の角を見る早逃げ」
ここで▲5八玉と引いて△1九飛成に▲3七角と打ったのが本譜。この三手が強烈だった。▲5八玉と引くような手は、実戦にも良く出る早逃げの一種。△1九飛成と香を取られると依然△5七銀▲同玉△5九龍▲5八合駒△5六香の詰みがあり、また△6九銀など下からの割り打ちもあるので、龍筋をさえぎるしかないかと思われるところ。しかし続く▲3七角が強防だった。先程の詰めろを防ぎつつ龍取りであると同時に▲5五角からの寄せも見ている。

本譜は△5四飛と銀を助けつつ、上部からの殺到を見せたが、▲4五桂を決め、単に龍を取ったのが冷静で、結局後手からの攻めを余し、先手の森内竜王・名人が貫禄勝ちを見せた。
先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ