第434問(2014年1月26日 豊島七段-西川四段戦) |
(問434-1) 先手豊島七段、後手西川四段で戦型は居飛車対四間飛車。出だしは振り飛車も角道を開けたままだったが、すぐに△4四歩と止め、手順こそ今風だったが、四間飛車対棒銀という古来からある定跡通りの進行となった。中盤は双方が馬を作る、力のこもった応酬が続いた。終盤に入ると、先手の端攻めが決まったかと思われる局面も生じたが、渋い受けの妙着も出て形勢は混沌、どちらが読み勝っているのか分からない熱戦となった。 下図は後手が△9八飛と打ち下ろした所で、詰めろ馬取りとなっている。△6八金の一手詰なので、後手玉が詰まない以上当然これを防がなければならないが、馬を取られ、再び△9八龍と入られる手も厳しい。そこで指された先手豊島七段の受けの一手とは? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問434-2) 双方が妙手を繰り出す熱のこもった終盤戦。下図は、△6五桂に▲6六玉と上がった所。現在、後手玉には▲9二飛△7一玉に▲4四角と出る詰めろがかかっている。対して先手玉は△7七銀と王手しても▲5六玉で4五の地点には桂が利いていて詰まない。 自玉が詰めろで相手の玉が詰まない、このような局面で指すべき次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問434-1解答)「中合いで凌ぐ」 ここで指された一手は▲8八桂。これが妙着だった。大駒の利きを一方へ限定する中合いは時々出てくるが、ここでの▲8八桂はそれ以上の働きを持っていた。と言うのも、△9四飛成と馬を取れば、▲9五歩や▲9六香など攻めの足掛かりとして大いに使えること。また、本譜もそうだったが、△8八飛成と桂を取った手には、▲9三銀から▲8五桂を王手で跳び、龍を抜く手を見ている。これで形勢は先手に傾いたかと思われたが、実際はまだまだ大変だった。 |
(問434-2解答)「終盤は”詰めろ逃れの詰めろ”」 「自玉が詰めろで相手の玉が詰まない」それを逆転するのは「詰めろ逃れの詰めろ」を放つしかない。ここで△5四金と打ったのがその詰めろ逃れの詰めろ。つまり、▲4四角と出る手を防ぎながら、△7七銀▲5六玉△4五金打▲同桂△同角成までの詰み。これは5手詰なので、級位者の人にも発見して欲しい手だ。 本譜はしかしそれでも難しかった。▲9二飛から▲9一飛打と王手をすると、一枚駒を使わざるを得なくなり、先手玉が詰むかどうか際どい。しかし最後は、先手の合駒の問題まで含めた難解な局面が生じ、これを詰め切った西川四段の勝利となった。 |
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