将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2014年4月7日出題)

第443問(2014年4月6日 松尾七段-中村亮介五段戦)
(問443-1)
新年度が始まり、その開幕戦。先手松尾七段、後手中村亮介五段で戦型は後手の角交換四間飛車。その後、向かい飛車に振り直し、下図は今▲6六角とここに角を据えたところ。8筋の歩を突き合っているのがやや珍しいが、部分的に▲6六角は良く出る形。後手が何もしなければ▲4五歩△3三銀に▲3四歩となって将棋は終わり。そこでその筋をどのように受けるか。中村五段の指した次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問443-2)
先手の角のさばきに、後手が強襲をかけた。しかしやや無理気味だったか、下図は先手の余せそうな局面。とはいえ、このまま何もしないで、△8五歩や△7八銀不成が来ると攻めがつながってしまう。そこで、ここで指された先手松尾七段の次の一手は?次の相手の手を単純に受けると言えばこれしかない。
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問443-1解答)「(先週に引き続き)角には角」
先週とはやや使い道は違うものの、ここでも角には角が成立する。(角を打たずに)△6四歩も6六の角を一手で追えるなら考えられるが、ここでは△6四歩▲4五歩△6五歩に▲7七角でこの△4四銀の処置に困る。
そこで▲4五歩を突かせないのがこの△6四角。また局面によっては(実際、後で実戦にも出たが)△5五銀と出る手も狙っている。
本譜は中央から戦いが始まり、飛車交換になり熱戦が続いた。

(問443-2解答)「急所をしっかり受ける」
ここは7八の地点をしっかり受けておくのが急務。そしてちょうど銀があるので▲7九銀打がほぼこの一手となる。以下、本譜は、△5七歩成に▲同歩と取って△6七馬に▲5九金で後手の攻めを完全に余せる形になった。

それでも実戦、後手玉に攻め入り、必死かと思われる局面から受けの好手で最終盤は一手違いに。最後は難解な詰みをきれいに詰め切り、先手の松尾七段がこの開幕戦を勝利した。
先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ