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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年12月15日出題)

第479問(2014年12月14日 深浦九段-豊島七段戦)
(問479-1)
先手深浦九段、後手豊島七段で戦型は相居飛車の力戦形。後手の豊島七段が、左美濃の形から、先手の矢倉陣に襲いかかりペースをつかんだ。しかし先手の深浦九段も決め手を与えない粘りで逆に先手からの攻めを凌ぐと、今度は▲2二銀と次の一手に出てくるような手筋のしばりを放った。これで決まったかと思われる所だが、ここからさらに局面は混沌としていく。ここで指された後手豊島七段の受けは何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問479-2)
終盤、攻守が何度も入れ替わる熱戦になった。下図は今△2六桂と一手詰を見せた所で、部分的には非常に厳しい。ここで指された先手深浦九段の指した手は?三手一組の手順でより得をする脱出を図る。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問479-1解答)「押さえの駒を取りに行く」
ここで豊島七段の指した一手は△1二金。これはかなり異筋な金で▲2二銀を取る為に二手もかけたのでは(しかも▲3三銀成や▲1一銀成など単純な銀得にならない可能性もある訳で)、普通は好手とはならない場合が多い。しかしここでは実戦的な粘りだった。

本譜は単に▲6三馬と引いた為、△2二金と銀を払い玉の逃走路が出来た。これに▲7六銀から今度は自陣の受けに回り、後手からの攻めを余す方向に持っていったが、容易に切らすことは出来ず熱戦の終盤戦が続いた。


(問479-2解答)「重くさせて逃げる」
問題図、▲5六歩はひと目だ。▲5七玉から上部へ脱出出来そうなので、すぐに突いてしまいそうだが、深浦九段の指した手は▲4九金と一旦▲3八の地点を守る手。これに△2七金とさらに利きを足して後手は攻めたが、こう進むしかないなら、単に▲5六歩と開けた手よりは、▲4九金△2七金の交換を入れさせた方が数段良い(この交換を入れないと、△2七の金は後手の持ち駒になっている)。

本譜は▲5七玉から入玉を目指す先手に、後手も何とか止めようとしたが、後手玉との攻め合いの兼ね合いもあり、結局入玉を止めることは出来ず▲7四玉の状態で、135手まで先手の勝ちとなった。
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